ジャガイモの澱粉から造られた3Dプリントランプ

ジャガイモのでんぷんを使用した持続可能性に優れた3Dプリント製ECOランプ

ラグジュアリーなインテリアのための環境にやさしいソリューションを提供するポーランドの企業 COLORISED(以下 カラライズド)は、ポーランドの化学工業大手 Grupa Azoty(以下 グルパ・アゾティ)およびプラスチック加工企業 GREENFILL3D(以下 グリーンフィル3D)と協力して、堆肥化可能な天然素材(ジャガイモのでんぷん)を使った持続可能な3Dプリント製ECOランプを開発した。

このコラボレーションにおいて、カラライズドはインテリアデザインの専門知識を、グルパ・アゾティはバイオプラスチックのノウハウを、グリーンフィル3Dはアディティブ・マニュファクチャリング用の生分解性・堆肥化可能バイオプラスチックの専門知識を提供し、ジャガイモのでんぷんのような堆肥化可能な素材から作られた、環境への影響を最小限に抑えるECOランプを開発。
このECOランプには、食品用染料を使用した環境に優しい3色(オリジナル・パールホワイト、イエロー・バニラ、グリーン・ミント)がラインアップされている。

一般的に、ジャガイモのでんぷん、小麦ふすま、コーンスターチといった素材は照明器具には使われないが、これらの素材は環境に優しく、完全に生分解性で堆肥化可能であり、循環型経済への世界的な推進に完全に合致している。
このようなユニークな材料を用いた3Dプリント製ECOランプ最大魅力のひとつは、各ランプを個人の好みや要望に合わせ、形や色、抗菌性などの機能をカスタマイズし、顧客のスタイルや環境価値を反映することができる点にある。また、素材から小さな部品に至るまで、このランプのすべての部品は欧州連合(EU)域内から調達されており、現地調達プロセスはランプの持続可能性を語る上で非常に重要であり、材料の長距離輸送に伴う二酸化炭素排出量を削減する。

生分解性に優れたこの素材は、自然に分解されるだけでなく、ランプを点けると絹のような透明感のあるガラスのような表面になる。分解に特殊な工業的条件が必要なPLAと異なり、ジャガイモのでんぷんは堆肥化しやすいという点でも優れている。しかし、この素材の課題のひとつとして、比較的高い吸湿性(堆肥化可能な性質に直接関係する)にある。一般的なPLAのように常時乾燥させる必要はないが、オフィスや製造スペースに長時間フィラメントを放置しておくことはできない。そこで開発チームは、個々のモデルの作業時間と材料消費量を正確に計算し、バッチ全体を24~30時間以内に生産する「オープン・アンド・ユース」と呼ばれる解決策を見出した。これは、材料の劣化を避け、安定した品質を確保するために、生産量を綿密に計算するものである。

環境配慮型の3Dプリント用各種材料はこちら


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る