- 2024-7-26
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大林組、シンガポールに新たな研究開発拠点「Obayashi Construction-Tech Lab Singapore」を開設
日本のスーパーゼネコンのひとつ大林組は、南洋理工大学シンガポール3Dプリントセンターと共同で、シンガポールに新たな研究開発拠点「Obayashi Construction-Tech Lab Singapore」を開設。アジア発の先進技術を活用したイノベーションを加速し建設業の未来を切り拓くことを目的に、持続可能な建設材料の開発や、機械式継手、複合材料部品などの3Dプリント技術開発を行うことを発表した。
主な研究開発プロジェクト
アジア諸国スタートアップとの建設自動化技術の現場実証および適用促進
アジア諸国の建設自動化領域スタートアップと共同で、大林グループ現地法人の建設現場における技術検証を行い、現場適用を促進。BCAによる補助金「Productivity Innovation Project(PIP) incentive scheme」を活用し、中国のロボットメーカー Fang Shi Technology 製のコンクリートならし・コテ押さえロボットを導入し、コンクリート打設時の生産性向上について検証を進める。
南洋理工大学シンガポール3Dプリントセンターとの建設3Dプリント技術の研究開発
シンガポールの南洋理工大学(NTU)の3Dプリント技術研究組織シンガポール3Dプリントセンター(Singapore Centre for 3D Printing:SC3DP)に共同研究室を開設し、大林組が日本国内で培った技術とSC3DPが持つ技術を連携させ、建設業における3Dプリント技術の適用拡大をめざす。この共同研究では、持続可能な建設材料の開発や、機械式継手、複合材料部品などの3Dプリント技術開発を行う。
NTUとのミーティング
シンガポール工科デザイン大学との建設ロボティクス活用の研究開発
先端的なロボティクス技術を有するシンガポール工科デザイン大学(SUTD)と、革新的な次世代の建設プロセスの確立と実用化に関する共同研究を行う。センサーとAIを活用して建設現場をマッピングし、建設現場をロボティクス技術適用に適した環境にする方法の研究や、複数の建設現場で同時にロボットを遠隔管理できるプラットフォームの開発などを行う予定。
SUTDとのミーティング
OCLSについて
OCLSは、BCAのBraddell Campus内に2023年10月に開設された、オープンイノベーション施設「Built Environment Innovation Hub(BEIH)」に入居している。建築・環境関連のテクノロジー企業などが多く入居するほか、入居者共用の実験空間やコンファレンス施設を有している。
OCLSのオフィス
大林組プレスリリースより
大林グループは、企業理念に「優れた技術による誠実なものづくりを通じて、空間に新たな価値を創造する」ことを掲げ、建設関連技術の進歩を通じた持続可能な社会の実現をめざし、さまざまな技術開発を推進してきました。技術開発の中核拠点である大林組技術研究所(東京都清瀬市)に加えて、2017年には米国シリコンバレーに、オープンイノベーション拠点「シリコンバレー・ベンチャーズ&ラボラトリ(Silicon Valley Ventures & Laboratory:SVVL)」を開設し、現地スタートアップや研究機関との協働による建設関連技術の研究や開発を国内外で取り組んでいます。また、2022年にはシンガポールにOCLSの前身となる「Asia Digital Labプロジェクトチーム」を発足させ、アジア地域における最新の建設技術に関する情報収集を行ってきました。
シンガポールでは、建設業においてコロナ禍による外国人労働者の不足に端を発した省人化・生産性の向上が大きな社会課題となっており、同国の建築建設庁(Building and Construction Authority:BCA)主導で、国内外の建設会社やスタートアップなどによる技術開発や、建設現場への適用が積極的に進められています。このため大林組は、アジア地域において開発や適用が活発化している建設ロボティクス技術を中心に、アジア地域の大学などの研究機関や建設会社、スタートアップとの共同研究・開発や、アジア地域の建設現場への適用支援を行う拠点として、OCLSを設置しました。今後、建設ロボティクス以外の分野にも範囲を広げるとともに、研究開発成果を積極的に社外展開し、普及推進を行っていきます。
大林グループは、OCLSを起点に、シンガポールをはじめとしたアジアにおける研究開発エコシステムを構築し、未来を拓く技術開発を加速させることで、グローバル規模で社会課題の解決をめざします。
https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20240719_1.html
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