Nuclear AMRC、核融合用途のタングステン部品の開発を目的に3Dプリントタングステン部品を発注
スウェーデンの3Dプリント技術開発企業 Freemelt は、核融合エネルギー用途の高負荷タングステン部品のさらなる開発を目的とした研究調査用として、原子力先進製造研究センター(Nuclear AMRC)から3Dプリントタングステン部品を受注した。
3Dプリントされたタングステン部品
Nuclear AMRCは、英国企業が原子力産業全体において、大規模かつ高精度な製造の受注を獲得できるよう支援している。Freemeltによれば、世界的な傾向として、各国政府がこの技術への関心を強めていることが示されており、米国、日本、ドイツ、英国は核融合エネルギーの商業化を支援するプログラムを発表している。
最初の核融合エネルギー発電所は、2035年までに送電網に電力を供給することが予測されている。
金属3Dプリントシステム Freemelt ONE
タングステンは、高密度、強度、極端な温度や摩耗に対する耐性など、そのユニークな特性により、核融合エネルギー産業にとって重要な材料である。特に最高の材料特性を目指している場合、従来のタングステン部品の製造は困難でコストが掛かるが、3Dプリント造形はこうした課題に対する有望なソリューションを提供する。3Dプリント技術は、従来の方法では実現が困難または不可能な複雑な形状を持つタングステン部品の製造を可能にするだけでなく、材料の無駄の削減と製造時間を短縮し、より柔軟な製造プロセスを可能にする。
FreemeltのE-PBF(電子ビーム粉末床溶融結合)技術は特に魅力的で、設計上の制限が少なく、最高の材料特性を実現しながら、タングステン部品の効率的な製造を可能にする。FreemeltのCEO、ダニエル・ギドランド氏は「Nuclear AMRCからの今回の受注は、当社のタングステン・プリントにおける独自の地位と能力を改めて強調するものです。なぜなら、Nuclear AMRCは、タングステンと原子力エネルギー開発における世界有数の研究機関のひとつだからです。また、英国のタングステンおよび核融合エネルギー業界における当社の地位と存在感も強化され、当社のE-PBF技術が核融合発電所向けのタングステンなどの難加工材料の加工において重要な役割を果たしていることが改めて示されました」と述べている。
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