- 2015-9-14
- 最新情報
- 3DPrinter, 3DPrinting, 3Dプリンター, 3Dプリンティング, FDM, ISS, MADE IN SPACE, NASA, テクノロジー, ロケット, 国際宇宙ステーション, 科学
NASAは厳しい環境下の宇宙空間でも数秒で自己修復する新素材を開発
NASAラングレー研究センターでは、極端な温度条件下や宇宙ゴミによって破損した部位を数秒で自己修復してしまう新素材を研究開発!
耐用年数を過ぎ制御不能となった人工衛星や、ロケット本体やその一部の部品などから生じた破片、そして破片同士の衝突などによって生まれた微細デブリなど、宇宙空間には無数のスペースデブリ(宇宙ゴミ)が散らばっており、その数は4,500トンを越えるという報告もある。
このように、無数に散らばったスペースデブリ(宇宙ゴミ)は、凄まじい速度で移動しており、微小重力(無重力)空間で作業を行う宇宙飛行士達を危険に晒す可能性がある。
(下記Wiki参照データ)
「地表から300 – 450kmの低軌道では7 – 8km/s、36,000kmの静止軌道では3km/sと非常に高速で移動している。さらに軌道傾斜角によっては相対的に10km/s以上で衝突する場合もありえる。運動エネルギーは速度の2乗に比例するため、スペースデブリの破壊力はすさまじく、直径が10cmほどあれば宇宙船は完全に破壊されてしまう。数cmでも致命的な損傷は免れない。さらに数mmのものであっても場合によっては宇宙船の任務遂行能力を奪う。5 – 10mmのデブリと衝突するのは弾丸を撃ち込まれるに等しい。」
イメージ:映画「Gravity」より
このような宇宙ゴミは、ISS(国際宇宙ステーション)や探査機など、宇宙空間で活動する機器には大変危険な存在であり、いつ何処で大きな被害をもたらすか予測できない場合があります。NASAの研究チームによって開発される同素材は穿刺治癒にも似ており、有機物に似せ設計したポリマーが、弾丸のように衝突した宇宙ゴミなどのエネルギーに化学反応が起こり、裂け目や穴などをわずか1秒未満で修復する仕組みとなっている。
pubs.acs.orgに公開されている資料や下映像でも確認出来る通り、実弾使用実験では、実弾を貫通させた後にポリマーの分子が銃創周辺に流れ出て、素材の修復を行っている様子が確認できます。
現在は宇宙空間での利用を想定した開発となっているようですが、今後この技術が確立され3Dプリンティング技術などと組み合わされれば、地上でも様々な場面への応用が可能になる日がくるのかもしれませんね。
より詳しくお知りになりたい方はpubs.acs.orgにて研究内容が紹介されてますので、そちらをご覧ください。
ソース:Techcrunch.com pubs.acs.org
関連記事
- Ballantine’sデザインの3Dプリント宇宙グラス
- NASAが3Dプリントロケットエンジンの試験に成功
- NASAがISSで実験した3Dプリント用データ一式を公開
- Made in Spaceの無重力プリンタがミッションコンプリート
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp