- 2025-3-10
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ワシントン大学の研究チーム、コーヒーかすとキノコの菌糸体を組み合わせた新たな3Dプリント素材を開発
米国では、毎年約11億ポンド(約50万トン)のコーヒーかすが廃棄されている。この大量の廃棄物に新たな価値を見出すべく、ワシントン大学の工学博士課程の学生であるダンリ・ルオ氏とその研究チームは、コーヒーかすとキノコの菌糸体を組み合わせた新たな3Dプリント素材「Mycofluid」を開発した。
コーヒーかすは栄養豊富であり、抽出時に殺菌されるため、キノコの培地として適している。研究チームは、コーヒーかすに薬用キノコの一種である霊芝の胞子、玄米粉、キサンタンガムを加え、3Dプリント可能なペースト状の素材「Mycofluid」を作成。この素材を用いて、ワシントン大学の研究チームが開発したオープンソースの3Dプリンタ「ジュビリー(Jubilee)」に特別に開発した1リットル容量のプリントヘッドを装着し、様々な形状のオブジェクトを成形した。
プリント後、これらの構造物は10日間保管され、菌糸体の成長により安定性が向上。その後、乾燥させることでキノコのさらなる成長を防ぎ、最終製品が完成する。この方法で作られた部品は、ポリスチレンよりやや重いが、密度は段ボールに近く、強度と耐久性はポリスチレンと同程度となる。また、完全に堆肥化可能であり、理論上は食用可能でもある。
この技術は、特に小規模生産者にとって持続可能な包装材料としての利用が期待される。例えば、壊れやすいガラス製品向けのカスタマイズされた梱包材などに活用できる。しかし、大量生産には大量の均質なコーヒーかすが必要であり、現時点では難しいため、研究チームは他の食品廃棄物を利用したバイオベースの3Dプリント素材の開発にも取り組んでいる。
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