選手の泳力を取り戻すために開発された3Dプリント義足フィンが軽量構造と推進技術で新たな可能性を示す
先端技術とデザインを融合させたプロダクト開発を行うデザインスタジオ Essesi Design Studio は、軽量なカーボン素材、内部に柔軟にしなるラティス構造を採用し、キックの動きを効率的な推進力へ変換する仕組みを備えた3Dプリンター製のモジュール義足フィン「Nimble」を発表した。

この柔軟構造が生む特性には、主に二つある。
第一に、ラティスが変形してエネルギーを蓄え、元の形に戻る際の反発力が推進力の増加につながる点である。これは、魚の尾びれやフィンのしなりを模した動きに近く、少ない力で効率的に前へ進める。
第二に、衝撃を一点に集中させず構造全体に分散させるため、義足の接続部や残存する脚への負担を軽減する利点があり、競技者にとっては痛みの軽減と持久性向上が期待できる。

「Nimble」は、ラティスを包む本体、上下のロック機構、接続パーツ、そして底部に取り付けるフィンの5つのパーツで構成されている。ツイストロックで簡単に交換・着脱できるモジュール方式は、用途に応じたカスタマイズも視野に入る。

現在「Nimble」はコンセプト段階だが、3Dプリント技術を生かした義足開発は、アスリート支援・リハビリ用義肢・水難救助用装備など幅広い分野での進展が期待されており、義足が“失った足を補う”だけでなく、“新たな能力を付与する道具”へと進化する未来を示す試みだといえる。
関連記事
- ウクライナ復興に3Dプリント義足で貢献
- HUGO BOSSが3Dプリント製ローファー発表
- 3Dプリンタで技術で成長期アスリートの義手製作
- ナイキ初の3Dプリントスニーカー「Air Max 1000」発売
3DP id.arts の最新投稿をお届けするニュースレターへの登録はこちら
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp








