新たなファイルフォーマット3MFとHoloLens

Microsoftを中心に始動した団体3MFコンソーシアムとHoloLensがもたらす新技術

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つい先日『マイクロソフト次世代3Dプリントフォーマットを開発』の記事をアップしましたが、これに関連する内容について、先に米国サンフランシスコで開催されたMicrosoftのイベント「Build 2015」から様々な情報が公開されました。

既にご存じの方も多いと思いますが、Microsoftは、オートデスク、HP(ヒューレット・パッカード)、Shapeways、ダッソー・システムズ、netFabb、SLMソリューション等と共に、新しいファイルフォーマット「.3MF」開発のため3MFコンソーシアムと呼ばれる共同開発団体を設立しました。

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この3MFコンソーシアムが開発する新しいファイルフォーマット「.3MF」形式は、旧来のCADフォーマット(STL等)のファイルフォーマットとは異なり、3Dモデル、カラー、その他の特性を記述した全ての情報を一つのアーカイブ内に含め、データをPNGやJPEGのように人が認識できるファイルに変換。特許請求範囲内で3MFメンバーからの合意を得れば、ロイヤリティーフリーでオープン化することも可能となる新しいフォーマットとなっています。

また、同フォーマットにも関連する情報として、次期OS Windows 10にはAutodeskのSpark(3Dプリンティングソフトウェアプラットフォーム)が埋め込まれることになっており、より信頼性の高い最適化された3Dプリントの世界を実現させようとしています。Spark技術がWindows 10内に統合されることで、Windows開発者は無償でオートデスクSparkプラットフォームの利用が可能となります。
この3MFフォーマットが業界標準となり、従来の3DCADや3Dプリントファイルの互換問題などを解決するキッカケとなることに期待したいですね。

 

Microsoft HoloLensによる新たな環境

今回のBuild 2015では、VisualStudio CodeのMac/Linux対応、WindowsStoreへのAndroid&iOSアプリのアップロード対応など、開発者達を沸かせた発表が相次ぎましたが、もう一つの大きな目玉は、以前にもお伝えしたMicrosoftのホログラフィック・コンピュータ「HoloLens」(HoloLensに関する記事はこちら)。

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HoloLensは、AR(拡張現実)やMR(複合現実)による3Dデザインや3Dプリントへの活用などを想定しており、先に発表された3MFフォーマットは、このホログラフィック・コンピュータシステム「HoloLens」への適応を含めたフォーマットとなるようです。

Microsoftが描くAR/MR世界を実現するのはもう少し先のことになるとは思いますが、HoloLensでは、Autodesk MAYAやFusion 360とのシームレスな連携などを含め、同環境によって開発される3Dモデルのホログラフィック化や3Dプリントなどの実現に向けて研究を進めるようです。
HoloLensを中心とした3D環境の拡張と合わせ、スマートフォンなどに実装される新型スキャン技術や、Windows10と統合されるSparkプラットフォームにより、新たな3Dプリントの世界が生み出すのは間違いありませんね。


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