MakerWorldがクリエイター著作権プログラムを導入

3Dプリンター設計の無断販売に対抗する著作権保護プログラムを開始

Bambu Lab が提供する3Dプリンタ用のモデル共有・コミュニティサイト「MakerWorld」は、3Dプリント設計の無断コピーや海外販売から制作者を守るためのプログラムである「Creator Copyright Protection Program」を開始した。このプログラムは、増加する権利侵害に対応し、通報手続きの一本化と国際的な削除対応を通じて、クリエイターの正当な権利保護を目指す取り組みである。

近年、3Dプリンターの普及により、個人でも高品質な立体モデルを制作・販売できる環境が整った。一方で、デジタル設計データはコピーが容易であり、無断で販売されたり、改変された上で別の商品として流通するケースが世界的に増えている。特に、オンライン市場や海外サイトでの無断出品は、制作者自身が個別に対応するには大きな負担となっている。
この問題を象徴する事例の一つが、MakerWorldで活躍するクリエイターAmao Chan氏のケースである。彼が開発した「Running Dinosaur Automaton」は、独占公開モデルとして発表されたが、許可なく複製され、さらには木彫り製品として海外で販売された。このような権利侵害は経済的損失だけでなく、精神的なストレスも伴う。複数の販売サイトに個別で削除申請を行う作業は時間と労力を要し、法的知識も必要になるため、多くの制作者が十分な対策を取れないのが現実である。

そこでMakerWorldは、制作者の許可を得て法的パートナーと連携し、問題の出品を削除する対応を実施。この経験を基に開発されたのが、現在ベータ版として運用中の「Creator Copyright Protection Program」である。本プログラムでは、クリエイター専用の管理画面から侵害報告を一元的に行える仕組みを整備し、提出資料を複数案件で再利用できるようにしている。さらに専門パートナーが各プラットフォームとの連絡や削除申請を代行し、国境を越えた権利行使も支援する体制を構築している。
一方で課題も残る。各販売サイトは独自の規定や審査期間を設けており、証拠提出や本人確認が求められる場合も多く、著作権登録の有無や、創作時の証明資料の不足が障壁になることもある。特に海外案件では言語や法制度の違いが壁となって解決までに数週間から数か月を要する場合があり、こうした複雑さが、制作者の権利行使を難しくしてきた。

それでも、本プログラムは一定の成果を示している。ベータ期間中に100人以上のクリエイターが侵害案件を報告し、200件以上の無断掲載リンクが削除された。これは、3Dプリント設計の保護が単なる経済対策ではなく、創作意欲を守る心理的な支えにもなり得ることを示している。


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