3Dプリンタ用ポリプロピレン「JIZAI」

城東テクノ、3Dプリンタ用ポリプロピレン「JIZAI」を開発-サンプルワークを開始

住宅建材メーカーである城東テクノは、3Dプリンタ用ポリプロピレン「JIZAI」を開発した。「JIZAI」は、MEX方式(材料押出方式)の3Dプリンタに最適化された材料で、従来のポリプロピレンよりも造形物の反り・歪みを抑えることを特徴としている。

ポリプロピレンは産業的には最も広く使用される汎用樹脂の一つであり、3Dプリンタで使用したいニーズはあったが、その使用は限られたものとなっていた。その主な原因は、造形物の大きな反りであり、造形が失敗しやすくなり、仕上がった造形物が歪んだものになるたまである。城東テクノが開発した新材料「JIZAI」は、そのような課題を克服し、ポリプロピレンの造形の可能性を広げる。

JIZAIの特徴

反りの抑制
従来の3Dプリンタ用ポリプロピレンよりも、造形物の反りを大幅に抑制。特に、角のある形状や大型造形物など、これまでポリプロピレンでは反りが大きすぎて諦めていた形状でも、「JIZAI」なら造形可能。 

反り比較1

反り比較2

柔軟性と強度のバランス
「JIZAI」は適度な強度と柔軟性を併せ持った新素材のため、例えばヒンジ構造のような強度と柔軟性が必要なパーツを試作として造形し、その使用感を検証確認できる。現在広く使用されるPLAは、ヒンジのような柔軟性が必要な部分は割れてしまって使用できないが、「JIZAI」なら繰り返し曲げても割れない試作品が作製できる。 

ヒンジ構造にも対応

耐薬品性
「JIZAI」は、酸、アルカリ、有機溶剤など幅広い薬品に耐性があり、薬品を入れるアプリケーションや、薬品が触れる部品などに安心して使用できる。この性質は、現在広く使用されているABSにはない性質であり、「JIZAI」により3Dプリンタ造形物の使用範囲は広がると考えられる。
他にも、「JIZAI」は500mm/sの高速造形も可能である点、浮いた部分を支えるサポート材を造形後に剥がすのが容易である点も特長としている。 

開発の背景 

城東テクノはこれまで、「キソパッキン」という木造住宅の基礎部材を開発・製造してきた。この部材はポリプロピレンと炭酸カルシウムの樹脂複合材を原料としており、50年以上にわたり、累計600万棟以上の木造住宅に採用され、躯体の重量を支えてきた材料である。同社はキソパッキンで長年培った樹脂の配合・混練をコア技術としており、この度開発した3Dプリンタ用ポリプロピレンにもこの技術が活用されている。「JIZAI」という名前は、従来極めて使用が難しいポリプロピレンであっても3Dプリンタで「自由自在」に造形できることから来ている。

サンプルワークを開始

同社は現在、無償でサンプルを提供している。法人・個人を問わず、2024年5月末まで、初回のみに限りフィラメント1巻(1.75mm径500g) もしくはペレット5kgを無償で提供。
申込み・問い合わせは以下より
https://joto.svy.ooo/ng/answers/JIZAI_inquiry/

JIZAI リーフレット
https://prtimes.jp/a/?f=d20977-52-7109b92367e6eab2b7257e387ab99be1.pdf


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