3Dプリント技術を用いた接合技術

テキサスA&M大学、3Dプリンティング技術を利用した接合技術「インターロッキングメタサーフェス」を開発

米国テキサス州の州立大学テキサスA&M大学は、合衆国エネルギー省が管轄する国立研究所であるサンディア国立研究所と共同で、形状記憶合金(SMA)を使い、従来のボルトや接着剤に代わり構造物の強度と安定性を向上させる3Dプリンティング技術を活用した新しい接合技術「interlocking metasurfaces(ILM)」の開発に成功した。この新技術により、航空宇宙、ロボティクス、医療機器などさまざまな分野での接合方法に革新をもたらすことが期待されている。

これまでの接合方法は、物理的な力を加えて接合していたが、ILMは温度変化によって形状を回復する形状記憶合金を利用し、マジックテープのように2つの物体を組み合わせることで力を伝達して動きを制限する。ニッケル・チタンの形状記憶合金を採用することで、加熱によって元の形状に戻り、柔軟で安定した接合と分離が自在に行えるようになった。

今回発表されたILMでは、SMAの形状記憶効果を利用して加熱による形状回復が可能となったが、今後は超弾性効果も取り入れ、より大きな変形に対応し、瞬時に元の形に戻る機能を目指している。これにより、局所的な剛性の制御が可能となり、極限環境下でも高いロック力を維持することができる。

研究チームを率いるテキサスA&M大学材料科学・工学部のイブラヒム・カラマン教授は「ILMは、かつてのマジックテープのように多くの応用分野で接合技術を革新する可能性を秘めています。またこの技術は、再構成可能な航空宇宙用部品や柔軟な関節部が求められるロボティクス分野、体温に応じて調整可能な医療用インプラントや義肢などへの応用が期待できます」と述べている。


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