- 2023-9-13
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Formlabs、光造形用100%純シリコン材料と工業用アルミナセラミクス材料およびOpen Platformを発表
米国マサチューセッツ州サマービルに本社を置く3Dプリンタメーカー Formlabs は、2023年9月12日から米国シカゴで開催された展示会「FABTECH」において、SLA光造形向け「Silicone 40Aレジン」並びに「Alumina 4Nレジン」の2種類の新材料を発表。さらに、サードパーティ製材料の使用や造形設定のチューニングを可能にする新サービス「Open Platform」を発表した。
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100%シリコン材料の3Dプリントを実現する「Silicone 40Aレジン」
Formlabsは、100%シリコン材料に独自技術による化学処理を加えることでシリコンを光造形方式3Dプリントの光硬化性レジンに変える独自の特許出願中技術「Pure Silicone Technology™」を開発し、業界で初めて低価格な100%シリコン材料の3Dプリントを実現。本レジンは、100%純シリコン材料であるため、シリコン本来の柔軟性や耐薬品性を備えることは勿論、230%の破断伸び、34%の反発弾性、そしてASTM D 1052準拠のロスフレックス屈曲疲労試験にて50万サイクル超を記録した超高水準な耐久性を特徴としている。
Silicone 40Aレジンのシリンダーブーツサンプル
「Silicone 40Aレジン」は現在、Formlabsにて米国の有害物質規制法(TSCA)の登録完了待ちであり、長期皮膚接触の生体適合性認証待ちの状態で、現状では研究開発や試作用途に限られる。認証後は、自動車、モビリティ、産業機械、消費者向け製品や医療機器、義肢装具などで、ガスケット、シール、クッション部材や保護部材、シリコン型のような成形型、軟質治具、消費者向け製品の軟質部品など、実製品用パーツや量産用のツーリングを含む幅広い用途で活用されることを想定している。
Silicone 40Aレジンの造形サンプル
Silicone 40Aレジンの主な特徴
- 対応プリンタ:Form 3、Form 3+、Form 3B、Form 3B+
- 上代価格:46,000円(1L)
- ショアA硬度:40A
- 引裂強さ:12kN/m
- 破断伸び:230%
- 反発弾性:34%
- 耐久性:ロスフレックス屈曲疲労試験50万サイクル超
- 対応温度帯:-25℃~125℃
商品ページ:https://3dprinter.idarts.co.jp/items/79621834
最大1500℃の高温にも耐えるアルミナセラミックス「Alumina 4Nレジン」
シリコン同様に、セラミックも現在のものづくりには欠かせない材料である。特にアルミナセラミックスはその絶縁性と耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、硬さと剛性に極めて優れた材料でありながら比較的安価な材料であるため、電気電子設備機器や半導体業界、そしてCASE以降は自動車業界でもその用途が広がり続けている。
Alumina 4Nレジンのサンプル
「Alumina 4Nレジン」は、純度99.99%のアルミナセラミックス部品の3Dプリントを可能にする材料で、バインダー(凝固剤)となる光硬化性レジンにセラミック粉末を充填した材料であるため、本レジンはプリント後にサードパーティ製のオーブンを使って脱脂・焼結を行って仕上げるワークフローとなる。推奨スケジュールとしては、脱脂は最高1,000℃の空気環境で4.5日、焼結は最高1,510℃で2日間が推奨スケジュールとなっている。また、プリントには従来のアルミ製ではなくSUS製ビルドプラットフォームが必要で、クイックリリーステクノロジーで瞬時に取外しが行えるビルドプラットフォーム2でもプリントは可能だが、クイックリリースには非対応となる。
プリント後には専用の洗浄溶剤「Formlabs Ceramic Wash Solution」も必要になるなど、これまでのレジンとはワークフローが少し異なり、他社製品のオーブンも必要で、工程も1週間から2週間程度が必要となる。
Alumina 4Nレジンのミキサーサンプル
Alumina 4Nレジンの主な物性
- 対応プリンタ:Form 3、Form 3+、Form 3B、Form 3B+
- 上代価格:169,000円(750mL/2kg)
- 純度:99.99%
- 相対密度:98.6%
- 曲げ強さ:400MPa
- 引張弾性率:380GPa
- 最高対応温度:1,500℃
- ビッカース硬さ:1,500
商品ページ:https://3dprinter.idarts.co.jp/items/79621779
造形設定のチューニングやサードパーティ製レジンも利用可能「Formlabs Open Platform」
Formlabsは、上記2種の新材料と共に、以下の形で光造形方式3Dプリンタの材料と造形設定の双方で「オープン」という選択肢を顧客に提供。
- 造形設定のチューニング:10月提供開始/無料
- Formlabs認可済み材料(社内検証済みサードパーティ製レジン):今秋提供開始予定
- Open Material License:波長405nmのUV光に対応するあらゆるサードパーティ製の光硬化性レジンが使用可能となるプリンタごとの有償ライセンス(Formlabs製品熟練ユーザー様向け)
3Dプリンタだけでなく、造形設定やプリント管理のソフトウェア、そして材料も自社で開発するFormlabsでは、ものづくりにおいて最も基本的かつ重要な「材料」の開発に創業以来11年間取り組んできた。現在では、自社開発材料は45種を超えるラインナップとなり、3Dプリント業界では他に無い強度、耐熱性、難燃性、静電気散逸性、柔軟性、弾性、剛性などを実現。それでもFormlabs純正材料ではカバーできていない領域があり、顧客の中には依然サードパーティ製レジンを使いたい、あるいは造形設定の詳細なチューニングが行いたいというニーズは研究用途を中心に根強くある。そのため、Formlabs製品を用いて3Dプリントの可能性と用途をより一層拡大し、ユーザーがより自由に、誰もが簡単にものづくりができる世界へと近付けるよう「Open Platform」のサービスを提供することとなった。
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