世界初！金属3Dプリンティングで結晶配向を自在に制御

2025-1-27
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大阪大学、金属3Dプリンティングで異次元の力学機能制御を可能にする新技術を発表

大阪大学大学院工学研究科の中野貴由教授、石本卓也特任教授らの研究グループは、金属3Dプリンティング技術を用いて、材料の力学特性を決定づける結晶配向（原子配列の方向性）の制御に成功した。これにより、形状と材質の融合による革新的な製品設計が可能となり、製造業における新たなパラダイムシフトをもたらすことが期待される。
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世界初の成果：3種の結晶配向を実現

研究グループは、レーザ粉末床溶融結合法（LPBF）を用いて、金属内部の結晶配向を自在に制御する技術を確立。特に、立方晶系の金属材料において、<111>//BD（造形方向）配向の単結晶様組織の形成を世界で初めて実現。この成果により、カスタム力学機能制御に必要不可欠な<001>、<011>、<111>//BDの3つの結晶配向をすべて揃えることに成功。さらに、結晶の成長メカニズムを解明することで、異なる結晶構造や合金への適用可能性も示した。これにより、従来の設計手法では達成できなかった力学機能の異方性を最大10倍以上に拡大する新たな設計指針が提案された。

カーボンニュートラル社会への貢献

現代社会において、構造材料の軽量化はカーボンニュートラルやグリーンイノベーションの実現に不可欠な要素である。3Dプリンティング技術は形状の自由度を活用し、トポロジー最適化による軽量化が進められてきたが、その効果には限界があった。本研究は、形状設計能力に加え、材料そのものの特性を制御する結晶配向性を取り入れることで、さらなる軽量化と高強度化の両立を可能にした。