3Dプリント技術を活用したカカオベースの健康サプリメントが免疫力向上に貢献
カナダの公立大学クイーンズ大学ベルファスト校の研究チームは、3Dプリント技術を用いて、免疫力向上に寄与するカカオベースの健康サプリメントを開発した。このサプリメントは、ギリシャ産ハチミツとビタミンD3を組み合わせており、どちらも免疫系のサポートに重要な役割を果たす成分として知られている。
ギリシャ産の蜂蜜にはタイムやアスファカ(ギリシャのサルビア)が含まれており、これらは強い抗菌作用と抗酸化作用を持つことで知られている。タイムは特に免疫システムを強化し、呼吸器系の感染症に対する抗炎症効果が期待される。一方、アスファカにはフェノール化合物が豊富に含まれ、酸化ストレスや微生物感染から体を守る働きをする。さらに、アスファカは関節炎などの炎症性疾患の治療にも役立つとされている。
この新しいサプリメントの製造に3Dプリント技術を使用することで、従来の製造方法に比べて、個別化された栄養素の調整が容易になり、持続可能な製造方法が実現した。3Dプリント技術は、パーソナライズされた健康サプリメントを作成するための効率的で環境に優しい方法を提供する。
3D プリントされたカカオベース配合の造形物(左)
研究チームを率いるディミトリオス・ランプロ教授は、「ギリシャ産の蜂蜜はその複雑な化学組成により、健康を促進する重要な栄養成分です。この研究により、蜂蜜が多くの有益な特性を持っていることが分かり、それが健康の向上や病気の予防、治療に役立つことが確認されました」と述べている。
さらに、薬剤師としての背景を持つマシュー・ワイリー博士は、「患者が薬を嫌がることが治療効果に与える影響を十分に理解しています。特に、味が嫌で薬を拒否する若年層患者に対して、カカオと蜂蜜を使った味をマスキングする方法は、薬の受容性を向上させる可能性があります」と語っている。
この研究は、クイーンズ大学ベルファスト校薬学部のエミリー・ヴォンのサマープロジェクトとして支援を受け、蜂蜜はギリシャのエウボイア島の養蜂家イオアニス・アルギリスから提供された。
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