ブガッティ最新モデルに3Dプリント部品を採用

ブガッティの最新モデル「Tourbillon」にダイバージェントの3Dプリント部品を採用

高級自動車メーカー Bugatti(以下 ブガッティ)は、3Dプリント技術を利用したスーパーカーを開発する米国のスタートアップ Divergent Technologies, Inc.(以下 ダイバージェント)と提携し、ブガッティの新世代電動ハイパーカー「トゥールビヨン(Bugatti Tourbillon)」の車体部品に3Dプリント技術を活用する。

1000馬力を発揮する新開発の8.3リットルV型16気筒エンジンに、800馬力の電動アクスルを組み合わせた総出力1800馬力のトゥールビヨンは、ダイバージェントのハイブリッド型積層造形プロセスである「Divergent Adaptive Production System(DAPS)」を使用して、トゥールビヨンのシャーシとサスペンション部品を製造する。この提携の主な目的は、より持続可能な生産とより燃費効率の高い設計を実現するために部品を大幅に軽量化することにある。

ダイバージェントは、自動車産業だけでなく、航空宇宙や防衛産業を含む多くの戦略的産業にサービスを提供するため、同社のワークフローに Nikon SLM Solutions の「NXG XII 600」プリンターを使用している。

新しいシャーシとボディ構造に基づいて設計されたトゥールビヨンは、次世代のT800カーボン複合材でできており、モノコック構造の一部としてバッテリーを組み込むことや、衝突複合材リアディフューザーなど、いくつかの軽量化技術を取り入れている。剛性が高く軽量な構造のフロントとリアフレームには、低圧薄肉アルミ鋳造と3Dプリント構造ブレースが採用されており、先代モデルよりも大幅に軽量で剛性の高い構造を実現している。
シャーシは、シロンに搭載されていたダブルウィッシュボーン鋼構造から、アルミニウム鍛造製のフロントとリアマルチリンクサスペンションへと進化。DAPSで3Dプリントされたアルミニウムから成る新しい有機設計サスペンションアームとアップライトを採用することで、シロンよりもサスペンション重量を45%削減することに成功。また、リアには車両の運動性能と空力性能を高めるためにAIが開発した3Dプリントのホローエアフォイルアームが採用されている。

最先端技術で実現した最新のブレーキは、究極のカーボンセラミック技術を採用。特注のブレーキ・バイ・ワイヤ・システムが導入され、可動式ペダルボックスと完全に統合され、ブガッティが開発した統合車両非線形コントローラを通じてハイブリッドパワートレインにシームレスに組み込まれる。

フランス・モルスハイムのブガッティ・アトリエで手作業で製造されているトゥールビヨンは、現在テスト段階に入り、プロトタイプが道路上で試験されている。価格は380万ユーロからで、2026年に250台限定で発売される。


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