Bambu Labのファームウェア更新による「認証制御」導入でユーザー反発
デスクトップ型3Dプリンタ市場で圧倒的なシェアを有する Bambu Lab が発表した最新ファームウェアに、多くの3Dプリント愛好家から批判の声が上がっている。同社は、セキュリティ向上を掲げる一方で、サードパーティ製ソフトの排除が進み、自由な3Dプリント環境を求めるユーザーとの摩擦が強まっている。
SoftFeverのDiscord投稿
Bambu Labが2025年6月にリリースしたファームウェア更新では「認証制御(Authorization Control)」という新機能が導入され、非公式ソフトウェアとの連携が制限されるようになった。代表的な例として、オープンソースのスライサーソフト「Orca Slicer」が使用できなくなり、その開発者SoftFeverはBambu Lab側が提供する代替ソリューション「Bambu Connect」を「不要で、ユーザーにとって有益ではない」と断言。この変更により、人気アクセサリー「Panda Touch」などとの互換性も失われる可能性があり、ユーザーからは「自由度の低下」や「ベンダーロックイン(メーカー囲い込み)」への懸念が噴出している。
Bambu Labの最新モデル「H2D Full Combo Laser」
これは、Bambu Labが今年2月に発表した新方針に準ずるもので、当時から「セキュリティ強化のため」と説明されていた。一般ユーザーにはあまり影響の無い内容とも言えるが、一部のユーザーからは「オープンソース文化を制限する方向へのシフト」と受け止められており、業界の著名人であるPrusa ResearchのCEO、ヨゼフ・プルシャ氏もLinkedInで「3Dプリント業界が危険な方向に向かっている」と警鐘を鳴らした。
なお、Pシリーズの3Dプリンターでは、問題の認証制御が有効化される直前(バージョン01.08.00.00)に、新型の自動素材供給システム「AMS 2 Pro」「AMS HT」への対応が加えられており、このバージョンにとどめることで新機能と柔軟性を両立できる“抜け道”も一部で注目されている。
Bambu Lab側は、公式ブログで「開発者モードを活用すれば、LAN経由のプリントは引き続き可能」と説明するが、一部ユーザーが不信感を募らせており、同社とユーザーとの信頼関係の再構築が急務といえる。
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