大型3Dプリンターで実物大タイヤを造形、数カ月かかった開発試作を数週間へ短縮する新サービスが本格始動
オフロード用タイヤなどを開発・製造する米国の OTR Engineered Solutions(OTR)は、オフロード車向けタイヤやホイール、履帯の開発を効率化するため、大型3Dプリンターを活用した実物大試作サービス「OTR3DLab」を開始した。

OTR3DLabは、従来数カ月を要していた実物大プロトタイプの準備を、数週間まで短縮することを目的としたサービスで、対象はタイヤだけでなく、ホイール、履帯、鋳造部品の形状確認用モデル、ハウジングなど幅広い。最大造形サイズは約1立方メートルで、対応する3Dプリンター材料は1,000種類を超えるという。なかでもゴムに近い柔軟性を持つエラストマー系材料を使うことで、量産タイヤに近い外観や触感を再現できる。
同サービスの特徴は、画面上の3Dモデルだけでは分かりにくい「実際に車体へ付けたときの見え方」を量産前に確認できる点にある。造形した試作品タイヤは、条件によって一般的なスチール製またはアルミ製ホイールへ装着でき、外観、寸法バランス、周辺部品との隙間、搭載スペースなどを確認できる。主な目的は走行性能を評価する完成タイヤの製造ではなく、金型や量産設備へ大きな投資をする前段階で設計を検証し、手戻りを減らすことにある。

従来のタイヤ開発では、図面やCG、小型模型で検討した後、実物大の確認には金型や専用治具が必要になる場合があり、変更が発生すると時間と費用が膨らみやすかった。しかし、3Dプリンターを使えば設計データを直接立体化できるため、修正した形状を比較的短期間で再試作できる。これは自動車分野で広がってきたラピッドプロトタイピングを、建設機械、農業機械、鉱山車両、林業機械など大型オフロード市場へ広げる動きともいえる。OTRは実際に建設、農業、鉱業、林業、特殊車両など幅広い用途を想定している。

さらにOTRは、AIを使ってトレッドパターンを設計する「TreadIQ」とOTR3DLabを連携させている。TreadIQで用途や外観、性能要件に沿った案を作り、それを3Dプリントで実物大にすることで、デジタル設計から現物確認までの流れを短縮する。
TreadIQでは条件によってタイヤの設計案を1日程度で具体化できるとしており、AIによる設計支援と大型3Dプリンターを組み合わせることで、製品開発そのものを高速化する狙いがある。
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