腕時計バンドで見えた金属3Dプリント技術の実力

腕時計用チタン金属バンドが一般価格で流通、金属3Dプリンターが量産段階へ進化

中国のテック企業 Xiaomi は、LPBF方式で製造したTC4チタン製の腕時計用金属バンドを発売した。約43gの軽量設計と一般消費者が手に取れる価格を両立し、金属3Dプリンターと金属3Dプリント技術が、試作段階から量産製品へ移行し始めたことを象徴する事例となった。

今回の腕時計用金属バンドは、約800層を積み重ねる金属3Dプリント技術によって製造されており、ステンレス製より約50%軽く、従来のチタンよりも軽量化されている。3Dプリント技術を用いることで内部構造を自由に設計できるため、必要な強度を保ちながら無駄な材料を削減できる点が特徴である。
この設計自由度は、切削や鋳造では難しい領域であり、金属3Dプリンターの大きな強みである。特に腕時計のように軽さや装着感が重要な製品では、その効果が直接価値として現れる。

過去にも高性能な3Dプリント製バンドは存在したが、多くは試作品にとどまり市場には出回らなかった。一方で今回の製品は、一般的な価格帯で購入可能であり、「実際に使える製品」として流通している点に意味がある。これまで金属3Dプリント技術はコスト面で量産に不向きとされてきたが、近年は装置性能やプロセスの進化により、その前提が崩れつつある。さらにスマートウォッチやスマートフォンなどへの採用も進み、消費者向け製品への応用が加速している。

腕時計用金属バンドという身近な製品で実現された今回の事例は、金属3Dプリンターが特殊用途から量産技術へと移行しつつあることを示している。


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