縫合不要の3Dプリント神経修復デバイスがFDA認可

3D SystemsとTISSIUM、縫わずに神経を修復する3Dプリント医療機器でFDA承認を取得

米国の3Dプリンターメーカー 3D Systems とフランスの医療技術企業 TISSIUM が共同開発した、縫合不要で末梢神経を修復できる3Dプリントデバイス「COAPTIUM CONNECT with TISSIUM Light」が、米食品医薬品局(FDA)から正式に承認を受けた。

TISSIUMが独自に開発した光硬化バイオポリマーと、3D Systemsのバイオプリンティング技術を融合し製造されたこのデバイスは、弾力性があり、時間とともに体内に自然吸収される性質を有しているため、従来の縫合式の神経修復と比べて体への負担が少なく、合併症リスクも大幅に低減しながら末梢神経の損傷を、縫合なしで安全かつ効果的に修復できる世界初のバイオ吸収型医療機器である。

この承認は、3D Systemsが取り組む再生医療領域の重要なステップでもある。同社は2017年よりユナイテッド・セラピューティクスと協業し、免疫抑制を必要としないヒト肺の3Dプリントを目指しており、独自の「Print to Perfusion」技術により、高精細な細胞足場の形成にも成功している。

3D Systemsは、2029年に24億ドル規模へと拡大が予測される世界の3Dバイオプリンティング市場を見据え、個別化医療や組織再生といった分野での応用をさらに広げていく構えだ。同社は既に、FDA登録・ISO 13485認証の施設から200万点以上の医療用インプラントと器具を製造し、15万件以上の患者向け手術をサポートしてきた実績を持つ。
また、今回のニュースに加え、2025年3月には中国のTriastekによる3Dプリント医薬品が、米国FDAから治験開始の許可を得るなど、3Dプリントを活用した医療の革新が世界的に加速している。


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