英国学生が3Dプリンタでロケットエンジン開発

英国学生チームが金属3Dプリンタでロケットエンジンを自作、宇宙開発に新風

北アイルランドのクイーンズ大学ベルファストに拠点を置く学生チーム「Queen’s Propulsion Laboratory(QPL)」が、金属3Dプリント技術を活用して、液体燃料ロケットエンジン「Kelvin Mk.1」の開発に成功した。

エンジンの心臓部である燃焼室とインジェクターヘッドは、英国の3Dプリント専門企業 LPE(Laser Prototypes Europe)が提供する金属3Dプリント技術(Direct Metal Laser Sintering方式)と、軽量かつ高い熱伝導性を持つアルミニウム合金(AlSi10Mg)を材料により製造された。内部冷却チャネルを備えた一体構造で造形されたエンジン部品は、従来の接合部によるストレス問題を解消している。

現在同地域最大の規模を誇る学生ロケットチームであるQPLが製造した「Kelvin Mk.1」は、IPA(イソプロピルアルコール)と亜酸化窒素を推進剤に使用しており、2025年7月10日にイギリス・ウエストコット宇宙クラスターで開催される「Race2Space」競技会にて、実燃焼試験(ホットファイアテスト)が予定されている。

QPLの学生たちは、部品数を減らし、試験と統合にかける時間を確保するために金属3Dプリント技術を採用。設計の自由度、短納期、高精度が実現しただけでなく、AM(アディティブマニュファクチャリング)に最適化された設計経験を実践的に学ぶ機会にもなった。
LPEのエンジニアリングディレクターであるパトリック・ウォールズ氏は「複雑さだけでなく、速度と性能の面でも3Dプリンティングは最適なソリューションだった」と述べ、学生達の挑戦を高く評価している。


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