米海軍、3Dプリンタで2,000個の部品を製造

米海軍が導入した3Dプリント技術で、軍需品供給の調達スピードを劇的改善

米海軍のFleet Readiness Center East(FRCE)に所属する技術等は、DLP方式の3Dプリンターを活用し、2,000個のツールを製造した。3Dプリント技術の現場実装が、軍需品供給のあり方を根本から変えつつある。

FRCEの技術者チームは、DLP方式の3DプリンターでF-35戦闘機の整備用に求められたOリング取付用ツールを、わずか2週間の短期間で2,000個を製造した。通常であれば、このような特注ツールの調達に6ヶ月以上を要するが、3Dプリント技術の導入により、短納期・大量生産の両立が実現した。
初回バッチで製造した20個の部品がテストに合格した後、設計の微調整を経て、海軍・海兵隊・空軍・同盟国の各部隊へ配備された。プリントされた部品は最前線の整備部隊でも活用されており、3Dプリント技術が従来のサプライチェーンを大きく凌駕する例となった。

このプロジェクトは、海軍内の3Dプリント(AM)技術推進拠点であるFRCEのイノベーションラボによるもので、同施設の技術者であるジェレミー・バンティング氏は「私たちの目標は、3Dプリント技術を特別なものではなく、職人のツールキットの一部にすることです」と述べており、AM技術の通常利用を目指している。

FRCEは、年間10億ドルの予算と4,000人以上の人員を抱え、米軍における迅速かつ柔軟な製造体制のモデルケースとなっている。3Dプリンターの導入は単なる時短にとどまらず、即応性・品質・兵站能力のすべてにおいて新たな価値をもたらしている。


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