スワロフスキーとxoloが協力し、3Dプリント技術を活用したクリスタルガラス製造の革新を実現
オーストリアを拠点とするクリスタルメーカーの Swarovski(スワロフスキー)は、ベルリンを拠点とするボリュメトリック3Dプリント技術のパイオニアである xolo およびイタリア・パドヴァ大学のパオロ・コロンボ教授と協力し、同社のボリュメトリック3Dプリント技術「Xolography」を用いたクリスタルガラスの直接プリントに挑んでいる。
一般的に、スワロフスキーの結晶は、石英砂やミネラル、カリなどの材料を組み合わせて作られている。この合成ガラスを特定の形状に切り出し、化学的にコーティングすることで、光の反射などの特別な効果を持たせることができるが、高品質な人工結晶製品で世界的に知られるスワロフスキーの製造方法は長い間秘匿されてきた。
今回のプロジェクトでは、xoloの「Xolography」と呼ばれるボリュメトリック3Dプリント技術を用いて、新たな結晶ガラス製造プロセスを提供する。この技術は、層ごとに積み重ねる従来の手法とは異なり、構造全体を同時に生成するため、製造時間を大幅に短縮し、複雑なデザインを鮮明かつ高精度に再現する。
スワロフスキーは、長年培ってきたクラフトマンシップにこれらの最新技術を取り入れる姿勢を示しており、スワロフスキーの代表は「xoloとのコラボレーションにより、精度とスピードの両方を向上させる先進技術を取り入れることで、クリスタルデザインと製造の新たな可能性を探求します」と述べている。一方、xoloはこのパートナーシップを通じて、ボリュメトリック3Dプリント技術の多様な可能性を新たな分野で実証することを目指している。
xube²と貴金属の融合による3Dプリントの可能性を拡大
xoloは最近、前モデルの性能をさらに向上させた新しいボリュメトリック3Dプリンタ「xube²」を発表している。「xube²」は、50×80×50mmのビルドボリュームと25ミクロンの高解像度で複雑なパーツを迅速かつ高精度に製造することができるシステムで、スワロフスキーに向けたクリスタル製造の革新に貢献している。
さらに、貴金属のリーディングサプライヤーであるCooksongoldは、産業用3Dプリントにおける貴金属の利用を拡大する新しい部門を設立した。この取り組みは、金や銀などの貴金属を最新の製造技術と融合させ、工業用途における3Dプリントの可能性を広げることを目的としており、伝統的な素材と先進的な製造技術を融合させる業界の新たなトレンドを象徴している。
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