筋肉のように収縮して複雑な動きが可能な3Dプリントアクチュエーター
ノースウェスタン大学のエンジニアたちは、3Dプリント技術を利用して、人間の筋肉のように伸縮することでロボットの動きを可能にする新しい柔軟なデバイスを開発した。
従来のロボット設計では硬いアクチュエーターが主流であったが、その剛性と安全性の問題から研究者たちは柔らかいアクチュエーターを探求してきた。研究チームは、人間の筋肉が同時に収縮し硬化することにインスパイアされた新しいタイプのアクチュエーターを開発。
従来の硬いプラスチック樹脂で作られたHSAは柔軟性と変形性に欠けていたが、この課題を解決するため研究チームは、スマホケースに使われる熱可塑性ポリウレタンと、安価なデスクトップ3Dプリンタを使用して「handed shearing auxetics(HSA)」と呼ばれるシリンダー型の構造を3Dプリントし、ねじると伸びたり膨張したりする独特の動きを実現。
従来の手法で作られたソフトアクチュエーターは、ねじるために複数のサーボモーターを必要とし、製造が複雑化して柔らかさが損なわれていたが、3Dプリント技術を活用したこのデバイスは、変形可能な回転軸として機能する柔軟な伸縮性のゴムベローズを追加することで、単一のサーボモーターでアクチュエーターを伸縮させることを可能にした。
3Dプリントされた26cm長のロボットは、1分間に32cm以上の速度で狭い空間を移動でき、アクチュエーターが伸びると硬化するため、従来の柔らかいロボットとは異なる機能を有しているだけでなく、500gの重りを5000回持ち上げても問題なく動作した。
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