3Dプリントされたソフトロボット装置

BASFとカリフォルニア大学がモノリシックなソフトロボティックデバイスを3Dプリント

世界最大の総合化学メーカーである BASF のカリフォルニア・リサーチ・アライアンス(CARA)とカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)が主導する共同研究チームは、FFF方式のデスクトップ3DプリンタとBASFの「Ultrafuse TPU」フィラメントを使用して、流体制御回路を組み込んだモノリシック・ソフトロボティックデバイス(3Dプリント・ロボットグリッパー)を作製することに成功した。

従来のソフトロボティックデバイスは、空気圧による作動、手作業による成形と組み立てを用いた製造方法が一般的であったが、この新しいデバイスは高度な3Dプリント技術を採用することで、手作業による工数を大幅に削減するだけでなく、より複雑な構造を作成可能にしている。
研究者らは、3Dプリントソフトロボットによる剛性問題に対処するため、プリント中に流体制御コンポーネントを埋め込み、柔らかくて漏れのない空気圧ロボット装置を製造する独創的な設計を思いつき、アクチュエーターとバルブを組み合わせた電子機器を使わない自律型グリッパーを開発した。

3Dプリントされたロボティックグリッパーには2つの爪があり、ユーザーがグリッパーを水平に回転させるとバルブ内の空気の流れが変化し、それが引き金となって握っているものを放す。ユーザーが何かを掴む際、バルブが作動して爪が閉じるまでロボットグリッパーを対象物に押し付けるだけで良く、離したい場合は、グリッパーを横に向けるだけで自動的に離すことができる。

さらにこの装置の特筆すべき点は、1回の連続3Dプリントワークフローを用いて僅か16時間で製作されたことにある。そして最終的な製品は、後処理、組み立て、修理を必要とせず、高い再現性とアクセス性を確保しているため、プリント後から直ぐに使用でき、自律的に物体をピックアップしてリリースする能力を備えている。
この仕組みは同様のデスクトップ型3Dプリンタで簡単に複製できるため、製造業や農業など、さまざまな産業にとって魅力的なツールが簡単に開発できるようになる。


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