食用昆虫粉末を使用した3Dプリントスナック

新しいタンパク源としての食用昆虫、食用3Dプリント技術で塩味スナックに

家畜の工業的飼育が地球環境に大きな影響を与えることから、昆虫などの新しいタンパク源に注目する動きが高まっている。スペイン・カタルーニャの公立大学ルビーラ・イ・ビルジーリ大学(Universitat Rovira i Virgili)の研究者らは、こうした変化を調査し、食品用3Dプリンタで製造した塩味スナック菓子の食感を検証している。

a 曲げテスト、b 貫通テスト

食用コオロギパウダーは、昆虫食を日常的に摂取するための有望な方法であるが、一方で、昆虫パウダーを焼き菓子に混ぜることで、生地のテクスチャや食感が変化する可能性がある。この研究では、2種類(コクヌストモドキとトノサマバッタ)の食用昆虫パウダーを異なる量で使用し、ひよこ豆粉、水、エキストラバージンオリーブオイル、カレーパウダー、塩と混ぜ合わせ、3Dフードプリンターを使用してプリント。その後、180℃のオーブンで12分間焼き、スナック菓子を完成させた。

食用油で強化したひよこ豆の生地の流動曲線

研究チームは、生地が圧力下で粘りが減少することを発見。これはケチャップやヨーグルトのような食品に共通する特性であり、昆虫パウダーの割合が増えると、生地はより厚く、粘りが強くなり、特にバッタのパウダーを使用した場合に顕著だった。また、ミールワームパウダーを使用したスナックは、昆虫パウダーの割合が増えると硬くなり、少量の昆虫パウダーを含むサンプルと似たカリカリとした食感となった。
今回の研究は、異なる昆虫パウダーが生地やスナックの特性に与える具体的な影響を探ることを目的としており、高濃度の昆虫パウダーを含む生地による粘度と擬塑性の増加は、昆虫パウダーの感覚特性の向上を示している。

食用3Dプリントの使用は航空宇宙分野で実用的な目的があるが、一般的な食品市場への応用事例は限られている。高まるタンパク質需要と産業活動が地球に与える影響のバランスを取ることが、食用昆虫の市場を牽引する可能性はあるが、多くの消費者は、3Dプリントされた食品に抵抗がある。

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