ナイロンにも対応するオープンソースタイプ3Dプリンタ

DS1000_01

スマイルリンクとディビジョン・エンジニアリングが共同開発したパーソナルタイプの3Dプリンター「DS1000」
本体価格：17万5000円
11月10日よリ、オンラインストアにて予約受付開始予定

造形方式：フィラメントを使用する熱溶解積層法（Fused Filament Fabrication）
筐体サイズ：270×280×255mm
本体重量：5kg
造形（ワーク）サイズ：105×105×105mm
積層ピッチ：0.05～0.35mm
造形速度：100mm／秒（最大）
トラベル速度：200mm／秒（最大）
ノズル径：0.40mm
対応材料（フィラメント）：1.75mmのフィラメント。ABS、PLA、ナイロン
電源：12V、60W、100～240V、AC
入力データ形式：STL、G-code
サポートOS：Windows7／8
ファームウェア：Marlin
ソフトウェア：Replicator-Host／Slic3r

造形サイズが105mm × 105mm × 105mmと小さいのがちょっと残念ですが、ナイロンまで扱えると言うのは他の同レベル製品と比較するとアドバンテージがあるように感じます。
フィラメントはスマイルリンクから1kg当たり5000円程度（未確定）で販売予定とのことですが、既存の汎用品も使用可能のようです。材料については、製品によっても様々な特性がある部分ですし、どこまで汎用品が使えるのか、ユーザーによるレポートなど情報が充実すると良い部分ですね。
また、最大の特徴の一つである造形速度についてですが
「最大：100mm／秒」と言うスペック通りの造形速度であれば、かなり期待できる性能ですね。最小積層ピッチでどの程度の速度が出るのか、実機検証してみたい部分です。
こちらのサイトでは、ヘッド周りに関する部分など、本体性能について詳細な記述があります。興味のある方は参考にしてみてください。

「国産」と銘打って発売された3Dプリンタでは、今夏より発売された「SCOOVO」がありますが、価格帯や製品コンセプトなど、DS1000は重なる部分が多いかもしれません。
残念ながらSCOOVOは、初期ロッドで発生した様々なトラブルにより一時プチ炎上状態にありましたが、こちらのサイトで紹介されるDS1000の内容を拝見する限りでは、かなり安定した造形（実機を使って様々な造形をしてみなければ分かりません）が期待できそうですね。
SCOOVOに関するNAVERまとめはこちら

また、開発側による下記の様なコメントはとても共感できる部分ですね。（関連情報サイトより引用）

DS1000の設計情報はクリエイティブ・コモンズに基づき公開。ソフトウェアのコードもGitHubを利用して公開する。これらの取り組みによって、利用者自身の手でDS1000を改良できるようにしている。装置自身も機能拡張がしやすい設計となっている。海外の開発コミュニティーにも積極参加し、3Dプリンタ開発における日本の地位向上も目指すとのことだ。また日本におけるオープンソース利用時のモラル向上にも貢献したいという。

更に、ユーザーサポート環境を充実させるため、DS1000コミュニティーサイトを開設し、日本語マニュアルの提供やFAQ、コミュニティーフォーラム、モデルデータ・プリント設定公開広場、開発者ブログなどを展開するそうです。
こういった取り組み方は、まさにオープンソースな環境に則した方法ですね。
SCOOVOもこういった方向で環境構築した方が良かったのでは？と勝手に思うところですが．．．。

様々な製品の造形を行う弊社としても、是非実機検証してみたい期待の1台です。ただ、3Dプリンタユーザーとしてはもう少し大きな造形（せめてスマホケース程度が一発で出力できるサイズ）だと、より実用性が向上しただろうと感じています。日常的に利用するユーザーの立場とすると、造形サイズアップで本体価格が上がっても、そちらを優先して購入したい部分です。