世界初の真鍮3Dプリンター「3D4BRASS」

3D4MECとFraunhofer IAPTが真鍮素材に対応した3Dプリンタ「3D4BRASS」を共同開発

産業用金属3Dプリントシステムを開発するイタリアの企業 3D4MEC は、ドイツに拠点を置く応用研究機関である Fraunhofer-Gesellschaft(フラウンホーファー協会)に属する Fraunhofer IAPT(フラウンホーファーAM造形技術研究所)と提携し、世界初の真鍮粉末に特化したL-PBF 3Dプリンティングシステム「3D4BRASS」を開発した。
このプロジェクトには、3Dプリントの品質管理や製造プロセスのモニタリング技術を提供するドイツ企業 Thetascan GmbH も参加しており、同社の光学システム技術を活用し、複雑な材料である真鍮の3Dプリントプロセスの安定性と信頼性を向上させることを目指している。

「3D4BRASS」には、選択的レーザー溶融(SLM)プロセス中にリアルタイムで欠陥を検出できる先進的なモニタリングシステム(in-situ monitoring system)が搭載されており、部品の品質と再現性が大幅に向上させる。フラウンホーファーIAPTのL-PBF(レーザーパウダーベッド融合)部門は、金属3Dプリントの新しい技術開発に高度な科学的専門知識を提供し、金属3Dプリントの新技術開発が進められている。

3D4BRASS Facebookページより

さらに、このプロジェクトでは、3D光学断層撮影(3D-OT)の最新バージョンを活用し、モニタリング能力のさらなる拡張も検討されている。これにより、製造プロセス中にリアルタイムで欠陥を修正し、材料の無駄を削減し、エネルギー効率を向上させることが可能となる。

3D4MECのマネージングディレクター、ファブリツィオ・マリーノ・コルシーニ氏は「フラウンホーファーIAPTおよびThetascanとのコラボレーションは、私たちがこれまでに多大な投資をしてきた研究開発分野を強化する絶好の機会です。このシナジーにより、特別な材料のためのカスタマイズされたAM層造形ソリューションを開発し、市場とクライアントのニーズに応えていきます」と語っている。

フラウンホーファーIAPTのL-PBF部門でモニタリングおよびプロセス制御の研究を担当するデニス・ユトクーン氏も「3D4MECは、光学トモグラフィー技術をさらに進化させるための優れたパートナーです。このプロジェクトは、Thetascanとの過去の研究成果も活かし、レーザーパウダーベッド融合における品質管理のためのデータベース構築に貢献します」と述べている。


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