結晶を持たない新材料を3Dプリンターで部品化し、小型電動モビリティの効率改善と省エネ化を狙う
ドイツ・ザールラント大学の研究チームは、EVモーターのエネルギー損失を減らすことを目的に、鉄を70〜80%含むアモルファス合金を開発し、3Dプリンターによる部品造形の研究を進めている。ステーターやローターなどの主要部品を対象とし、ドローンなど小型EVの効率向上と省エネ化につながる技術として注目されている。

EVモーターでは、磁場の向きが何度も切り替わることで内部の磁気も繰り返し変化し、その過程でエネルギーが熱として失われる。「ヒステリシス損失」と呼ばれるこの現象は、従来の結晶構造を持つ鉄系材料で特に発生しやすく、モーター効率を下げる原因の一つとなっている。
研究チームは、この問題を材料そのものから改善しようと研究し、新たなる合金を開発。開発された金属ガラスは、原子が規則正しく並ぶ結晶構造を持たないため、磁気の向きが変わる際の抵抗が少ない。その結果、再磁化時のエネルギー損失や発熱を大きく減らせる可能性がある。

さらに研究では、この新材料をレーザー粉末床溶融結合法(LPBF)による3Dプリント技術で造形することを目指しており、約50マイクロメートルの薄い層を積み重ねることで、結晶化を抑えながらモーター部品を作ることが可能になる。研究チームはすでに、積層造形とモーター用途の両方に適した3種類の合金組成を見いだしたという。
この技術が実用化されれば、ドローンやeスクーター、電動工具などの小型電動機器で効率向上が期待される。一方で、金属ガラスは造形条件の管理が難しく、産業規模で安定して生産するためのプロセス開発が今後の課題とされている。
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