中国の研究チーム、3Dプリント技術を用いた陰茎インプラントで勃起機能を完全回復
中国の南方科技大学(SCUT)、広州医科大学、東京医科歯科大学、コロンビア大学の共同研究チームは、3Dプリント技術を活用した革新的な勃起不全(ED)治療法を開発。動物実験において100%の生殖成功率を達成し、世界的な注目を集めている。
ペニスの海綿体モデルを3Dプリント
Nature Biomedical Engineering誌に掲載された研究結果によれば、研究チームは、アクリル酸ゼラチンを主成分とするヒドロゲルベースのバイオインクを用いて、陰茎の海綿体組織を3Dプリントで再現。さらに、人工的な白膜で包み込み、強度と機能性を持たせたインプラントを作製。このインプラントを損傷した陰茎を持つブタとウサギに移植したところ、2週間で正常な勃起機能が回復し、6週間以内に交尾と繁殖が成功した。特に、内皮細胞を追加移植したグループでは、100%の繁殖成功率が報告されている。
損傷と流量測定のための局所変形
陰茎は人体で最も複雑な血管網を持つ器官の一つであり、その再建は非常に困難とされてきたが、今回の研究成果は、3Dプリント技術がこの課題を克服し、生体組織の再生医療に新たな可能性をもたらすことを示している。さらに、この技術は心臓や肺など、他の複雑な循環器系を持つ臓器の再建にも応用できる可能性があると研究者たちは指摘している。
主執筆者である中国工学院の会員であり、SCUTの国家組織再生・再建工学研究センターの所長である王英軍氏は「これらの発見は、インプラントが機能回復を著しく改善したことを示しています」と述べている。
この成果は、3Dプリント技術が医療分野、とりわけ再生医療において革新的な解決策を提供する潜在力を持つことを示しており、今後の研究と臨床応用が期待される。
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