- 2024-8-5
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バージニア大学、木材パルプ由来の材料を用いて3Dプリントコンクリートを強化
米国屈指の名門大学であるバージニア大学のエンジニアチームは、植物由来の素材であるセルロースナノファイバー(以下 CNF)を使用して、3Dプリントコンクリート技術を強化する方法の開発に取り組んでいる。
3Dプリントコンクリート建築は、従来の建設では難しい複雑なデザインを迅速に建設可能にするだけでなく、リサイクル材料の利用、労働コストの削減、廃棄物の減少といった利点がある。しかし、現在使用可能なプリンタ材料の選択肢は限られており、その持続可能性や耐久性については多くの課題が残っている。
木材パルプから得られるCNFは、再生可能で環境への影響が少ない材料であり、3Dプリント複合材料のレオロジー(流動特性)や機械的強度を改善する添加剤として強い可能性を示しているが、バージニア大学土木環境工学部の教授、オスマン・E・オズブルット氏率いる研究チームによる綿密な研究が行われるまでは、従来の3Dプリント複合材料に対するCNFの影響は不明確であった。
研究チームは、CNF添加剤の量を変えて実験を行い、少なくとも0.3%のCNFを添加することでフロー性能が大幅に向上することを発見。硬化したサンプルの顕微鏡分析では、材料の結合と構造の完全性が向上していることが明らかになった。さらにラボ内でのテストにより、CNF強化3Dプリント部品が引っ張り、曲げ、圧縮に耐えることを確認した。
この研究を率いるオズブルット氏は「印刷性と機械的測定の両方で改善が見られたことは、商業用印刷材料にセルロースナノファイバーを組み込むことで、より弾力性があり環境にやさしい建築手法が早急に実現できる可能性を示唆しています」と述べている。
同チームの研究結果は、2024年9月の「Cement and Concrete Composites」誌に掲載が予定されている。
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