中国企業が6階建の3Dプリントアパートを公開

中国企業WinSunは、特殊なコンクリート材料をベースに6階建てアパートや別荘タイプの建築物を3Dプリント!

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上海に本社を置く企業WinSun Decoration Design Engineering Co.は、蘇州工業区に建設した3Dプリントアパートや6階建の大型アパートなどを公開した。

WinSunと言えば、以前から3Dプリント建築分野の研究開発を進めており、これまでにいくつもの事例を公表してきた同分野の先駆け的な企業ですが、今回発表されたのは、地上6階建ての大型3Dプリントアパートと別荘タイプの3Dプリント住宅です。
基本的な構造物は専用工場内で3Dプリント造形され、現場で組立てられる施工方式を用いている。現場での組み立て施工は日本のメーカー等でも実施されている方法だと思いますが、同社の施工方法は、一般的な中国の建築手法に比べ、60%材料軽減と30%相当の施工時間短縮を実現。

このアパート建築に用いられたのは、同社が開発した特殊な再生コンクリート材料。特許取得済みのこのインク(コンクリート系材料)には、コンクリート、ガラス繊維、砂、更に特殊な硬化剤として、建設廃棄物が含まれた物。こういった材料が、後々健康被害などを引き起こす危険が無いのかちょっと心配ですが、色々な意味で可能性のある材料ですね。また同社は、材料調達のために様々な企業との提携や合併を進めており、20カ国以上へのWinSun工場設立を予定している。

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公開された6階建アパートタイプ

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3d-printed-apartment-2アッセンブリ:3Dプリントされた造形物に装飾物を設置

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日本同様、度々大地震などで大きな被害を受ける中国ですが、同建造物には耐震性などを考慮した特殊な印刷パターンや関連技術を採用しており、信頼性の高い?建築基準を設けているそうです。

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左:100m以下の3Dプリント建築の建築基準、右:100m超の3Dプリント建築の建築基準

公開された別荘タイプの建物については、既に10棟ほど注文を受けているそうです。

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建築基準の厳しい日本国内での実現にはまだ時間が掛かるかもしれませんが、途上国などへの活用をはじめ、3Dプリント技術の利用は今後益々拡大されていくと思われます。また、同社の材料などに用いられたように、再生コンクリートを併用した材料の研究開発は、先進国にとっても重要な課題となりそうですね。

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