WASP、住宅・食・エネルギーを3Dプリンターでまかなう未来型実験施設「Shamballa」の建設計画を発表
イタリアの3Dプリンターメーカー WASP は、建築用3Dプリント技術を活用し、人と自然が共存する自給自足型コミュニティ「Shamballa(シャンバラ)」の建設を開始した。2026年春の開設を目指す本プロジェクトは、住宅、農業、教育、再生可能エネルギーなど、未来の暮らしを3Dプリンターで実現する壮大な実験場となる。
8ヘクタールにわたる北イタリアの未開墾地に建設されるオープンエア3Dプリントラボ「Shamballa」は、住宅、食料、医療、エネルギー、雇用、文化など、人間に必要な要素をすべて3Dプリント技術でまかなうという同社のユートピア構想を具現化するものだ。
この実験施設では、同社の建築用大型3Dプリンター「Crane WASP」を用い、現地の土などを素材にして建築物のプリントを行う。第一弾プロジェクトとしては、2025年9月に着工予定の自給自足型3Dプリント農場「Itaca」や、教育やイベントに使用される緑化屋根付きの3Dプリント会議ホールが予定されている。
初の自給自足型3Dプリント農場「Itaca」のイメージ
さらに敷地内には、5万種の薬草を備えた植物園、500本以上の地元産果樹の果樹園、昆虫や小動物向けのマイクロ建築など、多様な生態系を支えるインフラも整備される予定だ。加えて、休憩所や衛生設備など、人が快適に滞在できる建築物もすべて3Dプリンターで構築される。
北イタリアにある「Shamballa」建設計画地
近年、建設業界では3Dプリンターが廃材削減、工期短縮、住宅コストの抑制といった課題解決の手段として注目されており、世界各地で社会住宅の建設など実用例も増えている。WASPはShamballaを通じ、3Dプリント技術が地球環境と共生する未来社会の実現に寄与できることを証明しようとしている。
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