WASP、新型3Dプリンターで再生プラ活用

WASPが新型「CUBO HDP」を発表、再生プラスチック活用で循環型3Dプリントを推進

イタリアの3Dプリンター大手 WASP は、再生プラスチックを活用できる大型ペレット式3Dプリンター「CUBO HDP」を発表した。同モデルは、スペイン・バルセロナで開催された「IAAPA Expo Europe 2025」で初披露され、持続可能な製造や循環型ものづくりを目指す注目技術として来場者の関心を集めた。

WASPが新たに公開した「CUBO HDP」は、造形サイズ120×120×120cmの大型造形に対応するペレット式3Dプリンターで、最大の特徴は、廃プラスチックを粉砕・乾燥・押出して再利用できる「RIGENERA 3D」システムと連携し、使用済み樹脂をそのままフィードストックとして活用できる点にある。これにより、製造現場で発生する端材や地域で回収されたリサイクル材を再利用し、コスト削減と資源循環を両立する。

従来の大型ペレット式3Dプリントでは造形物の反りや剥離が課題とされてきたが、CUBO HDPでは、造形物をベッドに機械的に固定するクランプ方式を採用し、安定性を大幅に改善。さらに、密閉型チャンバーによる温度制御と、再生材使用時の臭気や有害物質を除去するフィルタリングシステムも搭載され、安全性と信頼性を確保している。また、本システムはオープンマテリアル設計のため、他社製材料の利用も可能だ。

Cubo HDP 技術仕様

  • 技術:FGF(Fused Granulate Fabrication)
  • 造形体積:1200 x 1200 x 1200 mm
  • ノズル径:標準 5 mm(オプション:1, 2, 3, 8 mm)
  • ペレットサイズ:直径2mm~直径6mm
  • ペレットタンク容量:外部接続(乾燥機またはバッグに直接接続)
  • 層解像度:最小0.5mm(1mmノズル)、推奨2.5mm(5mmノズル)
  • プリント速度:最大 100 mm/s
  • 接続性:WiFi、LAN、USB
  • 最大ホットエンド温度:最大 300 °C
  • 最大チャンバー温度:30 °C

今回の発表は、テーマパークや展示会装飾など大規模造形需要が高まるエンターテインメント分野を意識したもので、WASPはIAAPA Expo Europeにて実機デモを行い、持続可能な製造ソリューションとして提案している。


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