米海軍、初の「先進的製造戦略」を発表

米海軍、3Dプリント技術を核とした「先進的製造戦略」を発表

米国海軍省(DoN)はこのほど、初となる「先進的製造戦略」を公表した。本戦略は、3Dプリント(アディティブ・マニュファクチャリング)や切削加工(サブトラクティブ・マニュファクチャリング)、コールドスプレーや指向性エネルギー堆積およびコーティング除去、ロボティクスと自動化、データ解析、先進的な機械加工など、革新的技術を活用して部品・コンポーネントの製作、修理、再工作、逆行程工学を推進するものである。

今回の戦略は大きく三つの柱から成り立っている。
第一の柱は民間企業がもつ先端技術を活用し、戦略的な優位性を高めること。第二および第三の柱では、自営組織の製造能力を拡充し、修理拠点を近代化するほか、前線で戦う兵士の自給自足能力を強化する。さらに、産業界や学術機関と連携し、3Dプリントのような先進的製造技術を設計・生産プロセスに実装することで、サプライチェーン全体に革新的手法を取り込んでいく方針である。

本戦略には、3Dプリントをはじめとする先端製造技術の活用によって海軍と海兵隊が優位性を維持する狙いが込められている。米海軍研究・開発・調達担当次官補のニコラス・H・ガーティン氏は「これらの最先端技術を活用することで、海軍および海兵隊はドミナンスを保つことができます。今後も先進的製造への取り組みを拡大し、必要とされる圧倒的でコスト効率の高い能力を必要なタイミングで提供します」と述べている。

米海軍サステナメント担当次官補代理のエリカ・プラス氏は「民間メーカーとの連携と共同開発によって、最新技術とイノベーション、そして効率性を得られます」とし、官民のパートナーシップの重要性を強調。また、本戦略には、ガバナンス、製造技術の成熟度、標準化、デジタルアーキテクチャ、人材育成という五つの要素を横断的に整備することが掲げられている。
さらに、海兵隊後方支援計画政策・戦略機動担当補佐官のフォレスト・プール少将は「先進的製造技術を適切に適用すれば、陸上拠点や前方展開部隊への重要なサポートとなりうるのです。必要な部品データへのアクセスが確保されれば、必要な時に正確な仕様で部品を供給でき、日常の支援から紛争に至るまで兵站ネットワークの強靭性が高まります」と述べ、3Dプリント技術を中心とした先進的製造がもたらす効果に期待を示した。


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