- 2025-3-12
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デュアルエクストルージョンと高流量プリントコアで生産性と品質を大幅向上させた「UltiMaker S8」
デスクトップ3Dプリンタのリーディングカンパニーである UltiMaker は、改良されたフィーディングシステム、高流量ノズル、そして新開発の「Cheetahモーションプランナー」を搭載し、最大500mm/sのプリント速度と50,000mm/s²の加速度を実現した新製品「UltiMaker S8」を発表した。
デュアルエクストルージョンの自動ノズルリフティングシステムを備えた「S8」は、前モデルの「S7」と比較して4倍の速度で動作する。レイヤー解像度は、0.25mmノズルで150~60ミクロン、0.4mmノズルで200~20ミクロンの範囲で調整可能。また、新しいAA+およびCC+プリントコアは最大340°Cに対応しており、従来のコアと比較して250%の高い押出率を提供。
ビルドボリュームは330×240×300mmで、強化されたフィーダーは研磨性のある材料や複合材料の取り扱いにも対応。さらに、EPAフィルターやUltemコーティングされたフレキシブルビルドプレートを搭載し、5分以内の高速加熱が可能である。
UltiMaker S8とBambu Lab X1 Carbonの高速性能比較
最大500mm/sのプリント速度と50,000mm/s²の加速度を実現した「S8」は、高速3Dプリントシステムで業界を席巻したBambu Labの「X1 Carbon」と同じ最大プリント速度500mm/sだが、X1 Carbon(加速度20,000mm/s²)よりも30,000mm/s²高い加速度性能を誇る。さらに、S8には「Cheetahモーションプランナー」と呼ばれる新しい電子プラットフォームが搭載されており、Gコードをプリントヘッドの動きに変換する際の加速度の急激な変化を抑える「ジャーク制限付き」モーションプランナーにより、高速プリント時の品質劣化を防ぎ、滑らかなプリント品質を維持する。
UltiMaker S8 の主な特徴
Cheetahモーションプランナーによる高速造形
新たに導入されたCheetahモーションプランナーにより、最大500mm/秒の造形速度を実現。これは従来のSシリーズの約4倍の速さであり、高速化と高精度を両立している。
強化されたフィーダーシステム
改良されたフィーダーは、グリップ力が向上し、高速での材料供給を安定化。これにより、研磨性のある材料や複合材料の取り扱いが可能となった。
高流量プリントコア
新開発のAA+およびCC+プリントコアは、従来比2.5倍の押出率を実現。4方向からの加熱設計により、フィラメントへの負荷を均一化し、造形中の失敗や詰まりのリスクを軽減する。
デュアルエクストルージョンによる多色・多材料造形
S8は、2つのノズルを搭載し、異なる材料を組み合わせた造形が可能。材料交換時の廃棄を最小限に抑えつつ、高速かつ高精度な多色・多材料造形を実現する。
UltiMakerエコシステムとの統合
350種類以上の材料に対応するUltiMakerのエコシステムとシームレスに統合される「S8」は、業界をリードする同社のソフトウェア「UltiMaker Cura」との連携により、多様な材料やプラグインを活用し、効率的な3Dプリントを実現する。
S8 Pro Bundleの提供
「S8」にUltiMaker Material Stationを組み合わせた「UltiMaker S8 Pro Bundle」は、最大6本のスプールを使用し、材料の自動切り替えや湿度管理を行いながらのプリントが可能。これにより、長時間の連続造形や複雑なプロジェクトにも柔軟に対応する。
UltiMakerのプロダクトマネージャーであるMarc Uyttenboogaard氏は「UltiMaker S8は、Sシリーズの伝統を基に大幅な改良を加え、3Dプリントの新たな基準を打ち立てる製品です。S8は高速なプリント速度、信頼性と精度の向上、強固なセキュリティ機能、強化された接続性、そしてデュアルマテリアル機能を提供します。Digital FactoryおよびCuraとの統合により、ユーザーにはシンプルで安全かつ効率的な3Dプリント体験を提供します」と述べている。
「UltiMaker S8」は、その先進的な機能と性能により、デスクトップ3Dプリンタ市場における新たなスタンダードを確立し、多様な産業分野での活用が期待されている。
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