Ultimakerで造られた3Dプリント茶室

3Dプリント技術と日本の伝統工法が融合した茶室「The Warp」がドバイ・デザインウィークで公開

日本の大手設計会社である三菱地所設計は、同社デザインスタジオおよび木質建築ラボにて、建築や家具のデザインから施工までに至る、木質3Dプリントを用いた生産システム「Regenerative Wood(リジェネラティブ・ウッド)」を構築し、PLAバイオプラスチックと混合・押し出し成形する木質3Dプリント建築物「The Warp(ザ・ワープ)」を「Dubai Design Week 2024(ドバイ・デザイン・ウィーク)」で発表した。
「The Warp」は、988個もの3Dプリントパネルから構成されており、日本の伝統的な木組み技術を取り入れ、接着剤や釘を使わずに組み立てられている。

ⓒ三菱地所設計

本茶室は、Ultimaker の3Dプリントシステム「Ultimaker Sシリーズ」と、Polymakerの木質材料「Polywood」を用いて、約4000時間をかけて988個の3Dプリントパネルを造形。さらに、パネルを接続する「ホゾ継ぎ」のためのホゾ1938枚もUltimaker Sシリーズを用いて造形された。

高さ2メートル、幅2メートル、奥行き2.5メートルの茶室を構成する各パネルには固有のIDが割り当てられており、日本の伝統的な木組み技術を取り入れ、釘や接着剤を必要とせず、パズルのように正確に組み合わせることで頑丈な構造を実現している。

本茶室は、伝統的な茶室の要素を尊重しながらも、より開放的な形状を追求。通常の茶室で象徴的な「にじり口」の意匠をヒントにしながら漏斗状のデザインを採用。
サステナビリティと伝統美の融合を象徴する「The Warp」は、3Dプリント技術がもたらす新たな可能性を提示する存在でもあり、展示中には日本の茶の湯文化が披露され、来訪者は茶室内で特別な体験を味うことができた。

木質3Dプリントを用いた生産システムであるリジェネラティブ・ウッド3つ目のプロトタイプとなる「The Warp」は、木材ベースの3Dプリント技術を使用し資源を循環させる仕組みで、木材加工の副産物である木粉を再利用して、サステナブルで高付加価値な3Dプリンタ用フィラメントに変換することにより、デザインの力で真の循環型アプローチを実現。本システムにより、リデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再生)の資源循環が可能になる。

本システムにおけるフロー


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