大型STLを分割出力する新ソフト「Split3r」

大型STLモデルを自動で分割し容易に再組立可能にする革新的ソフトウェア「Split3r」

高性能3Dプリントシステムや専用ソフトウェアを開発するフランスの企業 QUALUP SAS は、大型STLデータを自動で分割して、デスクトップ3Dプリンターで造形可能にする新しいソフトウェア「Split3r」を発表。クラウドファンディング Kickstarter から資金調達を開始した。

「Split3r」は、STLモデルをプリンターのビルドボリュームに合わせて自動的に分割し、タブや溝などの接続構造を自動で設計する革新的なソフトウェアで、ユーザーはリアルタイム3Dプレビューで分割結果を確認でき、組立を容易にするマーキングや分解図表示機能も搭載している。
本ソフトは、PrusaSlicer、Cura、OrcaSlicer、Bambu Studioといった主要スライサーに対応しており、独自の「.s3r」形式でプロジェクトを保存できる。これにより、切断条件や接合情報を一括管理でき、効率的な作業フローを実現する。

また、単なる分割だけでなく、サポート材の削減につながる形状最適化機能を持ち、時間や材料コストの削減に寄与する。従来のCADやスライサーでの手動分割は専門知識と作業時間を要するが、それらの作業を自動化する「Split3r」は、初心者でも扱いやすくなっている。

Qualupによると、すでに250MB超の大型ファイルでテストが進んでおり、2025年9月9日よりKickstarterで資金調達を開始した。目標額は16,900ユーロで、正式リリースは2025年12月を予定している。ライセンスは買い切り型で、2台のPCで利用可能だ。

「Split3r」は、従来の手動作業では煩雑だった分割・接合設計を大幅に効率化し、3Dプリンター活用の幅を広げる存在として、建築模型、アート作品、技術部品など、大型の3Dプリントが求められる分野で大きなメリットが期待される。


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