3Dプリント部品用蒸気染色機

Spengler、MJFおよびSLS部品向けの新しい蒸気染色機「SurfPro SD」シリーズを発表

積層造形(以下 AM)技術に特化した企業グループ IntegrAM の一員であるAM後処理専門企業 Spengler は、マルチジェットフュージョン(MJF)および選択的レーザー焼結(SLS)技術で製造された3Dプリント部品向けの新しい染色ソリューション「SurfPro SD」シリーズを発表した。この新シリーズは「蒸気染色」プロセスを採用し、従来の浸漬染色技術と比較して使用する水と染料の量を大幅に削減している。

一般的に、MJFおよびSLS技術で製造された部品は、その多孔性により染色が容易で効果的であり、部品表面の微細な隙間が染料を吸収し、均一で長持ちする仕上がりを実現する。これは、他のAM技術で製造された表面へのスプレーペイントとは異なり、剥がれや欠けが生じにくい。さらに、複数の部品を大きな染色槽に追加することで、バッチ染色も可能である。しかし、浸漬染色は大量の染料と水が必要となるため、染色槽全体を満たすのに十分な染料を使用する必要がある。このプロセスは、部品の表面をコーティングするのに必要な量の染料のみを使用する塗装と比較して非常に効率が悪い。今回発表されたSpenglerの新しい後処理システム「SurfPro SD」マシンは、液体に部品を浸すのではなく、振動する槽から高温の蒸気を放出し、部品のバッチ全体に均一に色を適用する蒸気染色プロセスを採用することで、染色プロセスにおける無駄を大幅に削減する。

Spenglerによれば、このプロセスは、浸漬プロセスと比較して水の使用量を1/10、染料の使用量を1/20に削減可能なため、廃棄物の削減と運用コストの低下を実現しながら、部品表面全体に均一な染色を達成するという。さらに、マシンには三方制御バルブと電動ポンプを備えたリサイクル・回収タンクが搭載されており、無駄を最小限に抑えることができる。

Spengler SurfPro SDマシンは、25、50、120リットルの容量で提供され、HP Jet Fusion 5200やEOS P3 NEXTなどのマシンで製造された部品の高スループット後処理向けに設計されている。また、この後処理システムには、部品乾燥用の熱風ブロワーや、プログラムやレシピ管理用のHMIタッチスクリーンも搭載されている。


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