- 2025-8-18
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セレンディクス、UNIDOの支援を受け3Dプリント住宅の現地適用調査を開始
革新的な3Dプリント技術による3Dプリント住宅を提供するセレンディクスは、国際連合工業開発機関(UNIDO)の支援を受け、ウクライナにおいて3Dプリンター住宅建築のフィージビリティスタディ(実現可能性調査)を開始する。
この調査では、ウクライナの建築関連法規やインフラ環境を踏まえ、3Dプリント技術による住宅建設の現地適用可能性を検証。期間は2026年3月までを予定し、効率的かつ持続可能な建築の実現に向けた基盤を整える。
プロジェクトイメージ:CLOUDS Architecture Office
本プロジェクトは、経済産業省の資金拠出を受けて実施される「日本企業からの技術移転を通じた新事業創造によるウクライナのグリーン産業復興プロジェクト」の一環であり、ウクライナの産業復興とイノベーション・エコシステム構築を目指している。
背景には、2024年2月の「日・ウクライナ経済復興推進会議」で現地建築会社と締結した覚書がある。セレンディクスはこれまで現地企業と連携し、3Dプリンター出力の精度や建築データの適合性を検証してきたが、今回UNIDOの支援を受け、実際の建築に繋がる調査段階へと移行する。
現在ウクライナでは、全住宅の約13%が損壊し、250万世帯以上が被害を受けている状況にあり、本取り組みは復興に直結する意義深い試みである。
本プロジェクトの大きな特徴は2点ある。
第一に、建築データをセレンディクスが提供し、現地施工会社が3Dプリンターで建設を担うという「データと施工の分離」方式である。これは同社が2022年に実施した「世界5カ国同時プリント実験」の知見を発展させたもので、世界中どこでも高品質な住宅建設を可能にするモデルとなる。
第二に、タイ最大手のSCGと連携し、共同開発した専用モルタルを使用する点だ。これにより安定した素材供給を実現し、グローバルなサプライチェーン構築にも寄与する。
セレンディクスの飯田國大COOは「今回の取り組みは、デジタル建築の新たな可能性を実証する重要な機会です。戦時下にあるウクライナにおいても、テクノロジーの力で希望を創り出していきたい」と語っている。
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