セレンディクスがタイのセメント大手と提携

2024-12-25
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3Dプリンタ住宅のセレンディクス、3Dプリンタ用モルタル供給でタイ建築材料最大手SCGと提携

3Dプリンター住宅メーカーのセレンディクスは、1913年設立のタイ最大のコングロマリットであるサイアム・セメント・グループ（以下 SCG）傘下の The Concrete Products and Aggregate Co., Ltd.（以下 CPAC）と3Dプリンター住宅の世界的な普及を目指し、基本合意書を締結した。SCGとCPACは、3Dプリンター住宅に使用する専用モルタルの供給などで、セレンディクスのグローバル展開をサポートする。

セレンディクスは「世界最先端の家で人類を豊かにする」をビジョンに掲げ、ロボット施工による建設コストの削減により「車を買う値段で家を買い替えられる」新しいデジタル社会の実現に取り組んでいる。2024年9月には石川県珠洲市において、2人世帯向けの「serendix50」の販売第1号棟を建設するなど、3Dプリンター住宅の量産化に向けて準備を進めている。
世界的に建設コストの高騰が深刻化する中、同社は住宅の製造プロセスを自動化するだけでなく、素材、輸送、施工技術など様々な方向で、目標実現に向けた協力体制を構築している。中でも、3Dプリンターに使用するモルタルは、製品の安全性及び耐久性、コストなどを決める重要な素材である。今回、基本合意書を締結したSCGは、3Dプリンター建築に特化した素材開発に力を入れており、タイのみならず高品質なモルタルを国内外に安定的に供給できる体制を有している。同社は、材料調達において強固なサプライチェーンをグローバルに構築することで、更なるコスト削減及び安定供給を実現し、高品質かつ低価格の住宅の普及を目指すとしている。

石川県珠洲市に建設された「serendix50」

CPACディレクターのカンラヤー・ヴァルンノー氏は「SCGをパートナーにお選びいただき、心より感謝申し上げます。当社(SCG)は、新しいイノベーションとテクノロジー、特に3Dプリンティング技術によって、世界の持続可能な建設の未来を推進するというビジョンを掲げています。3Dプリンティング技術は、従来の建設と比較して、より高い効率性を実現し、建設廃棄物と建設コストを削減します。私たちは共通の目標に向かっており、この協力関係が建設業界を新たな高みへと押し上げ、世界規模で近代化と持続可能性を推進すると信じています」とコメントしている。

基本合意書締結式の様子