世界初の3Dプリント駅舎「初島駅」が利用開始

セレンディクスとJR西日本が共同開発した新駅舎「JR初島駅」が始動

3Dプリンター住宅メーカーのセレンディクスは、JR西日本グループと資本業務提携のもと、2025年7月22日より、3Dプリント技術を活用した世界初の駅舎「初島駅(JR紀勢本線)」の利用を開始した。

建築の限界を超えた3Dプリンター駅舎

新駅舎は、延床面積9.9平方メートルの鉄筋コンクリート製平屋建てで、内部には2人掛けのベンチ、券売機、ICカード対応の簡易改札機が備えられている。外観には3Dプリント特有の積層痕を活かし、有田市の特産「みかん」と「たちうお」をモチーフにした装飾が施されている。
従来、鉄道施設の建設は夜間作業に限定され、工期が長期化しがちだったが、今回のプロジェクトでは、3Dプリンター建築技術を応用し、基礎工事から躯体設置までを終電から始発までのわずか6時間で完了させた。これは建築分野における大きなブレイクスルーである。

驚異のスピード施工、その舞台裏

駅舎の主要パーツは熊本県水俣市の協力工場にて3Dプリンターで製造。特殊モルタルを用いたパーツは、鉄筋とコンクリートで一体化され、7日間で完成した。2025年3月25日夜、最終列車の出発後にJRの安全措置を経て、現地に搬送されたパーツをトラックとクレーンで順次設置。作業時間はわずか2時間で、実質1時間15分で躯体の組み立てを完了し、翌朝5時までにすべての工程が完了した。

世界中が注目した3Dプリント建築の快挙

この取り組みは国内外の300以上のメディアで報道され、ニューヨーク・タイムズをはじめ、欧州やインドの主要メディアでも大きく取り上げられた。中でも、欧州メディアは「日本人はわずか6時間で3Dプリントの駅を建設した」とし、インドでは「日本がまたもや脅威の偉業を成し遂げた」と絶賛された。


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けするニュースレターへの登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る