- 2015-4-21
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3Dプリント造形品にメッキ加工可能な卓上型の電気メッキ装置がKickstarterでスタートアップ
『Orbit 1』と名付けられたこの装置は、機械工学、化学工学、電気工学、ソフトウェア工学、工業デザインなどの業界で経験を積んできたエンジニアチームによって開発されたデスクトップタイプの小型電気メッキ(electroplating)装置。
これまで幾度も3Dプリント造形品の後加工についてご紹介していますが、プロアマ問わず、3Dプリンタを利用するユーザーにとって、造形品の仕上げ加工は大きな課題の一つです。以前ご紹介した下のスマホケースは、FDM方式/ABS樹脂で3Dプリント造形したモデルに、真空蒸着メッキでクロームメッキを施した物です。このように、3Dプリント造形品にメッキ処理を施すと、一般的な仕上げ加工とはまた違った表現が可能になります。
FDM方式/ABS樹脂&クロームメッキ処理
今回ご紹介したOrbit 1は、真空蒸着やスパッタリングのような乾式鍍金とは異なり、古くから利用されてきた湿式メッキ方式を用いたデスクトップタイプの小型メッキ装置です。この装置を利用することで、3Dプリント造形品(ABS/PLA/HIPS)などの表面に、銅、ニッケル、パラジウム、金などの鍍金処理が可能となります。
また同製品は、スマートフォン専用アプリ(Android及びiOS対応)から装置のリモートコントトールが可能になっています。
現在このデスクトップ型メッキ装置『Orbit 1』は、クラウドファンディングKickstarterで資金調達中です。アーリーバードは1,999ドルから。
Orbit 1のKickstarterページはこちら
Orbit 1を利用したメッキプロセスは以下の通り
STEP 1
鍍金対象物の表面を、研磨材を用いて研磨処理
STEP 2
鍍金対象物の表面に導電性塗料をスプレー塗布
STEP 3
本体に鍍金対象物をセットし、アプリからスタートボタンをタップ。
ラック上に取り付けた後、硫酸銅およびスルファミン酸ニッケルからなる金属溶液に浸漬し、鍍金処理を実行。詳細は、下動画からも確認することができます。
Orbit 1の特徴
- 低コスト:平均で2ドル/ g(材料により異なる)
- スマホ(Android及びiOSアプリ)を使った制御&自動メンテナンスシステム。
初心者のためのスマートモードと、専門家のためのエキスパートモードが有。 - 補助システムが自動的に鍍金液の濃度等を調整し、材料消費量を算出。
- 無料アップグレード、テクニカルノートや3Dモデルがダウンロード可能。
- 高速なメッキ処理速度。
- スタイリッシュでコンパクトなボディ:φ300mm/高さ560mm
- 独自の導電性塗料スプレー。
- 最大鍍金サイズ:高さ200mm×幅150mm
- 消費材料のオンラインストア購入が可能。
金属の溶けた水溶液を使用するため、材料の廃棄や交換などの問題があります。同社は米国、台湾、中国に対してリサイクルサービスを提供するようですが、日本までこのサポート対象になっているかは不明な部分です。
自動スキャンで造形物のサイズ等を計測し、最適なメッキ処理を実行(特許出願技術)
3Dプリント造形物に対するメッキ事例
公開されているスペックシート
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