Nano DimensionとDesktop Metal、合併成立へ

米裁判所がNano DimensionにDesktop Metalとの合併完了を命令

米国デラウェア州衡平法裁判所は、イスラエルのマイクロ3Dプリンティング大手 Nano Dimension に対し、米国の産業用3Dプリンターメーカー Desktop Metal(以下 DM)との合併契約を履行するよう命じた。今回の判決により、両社は合併を完了し、3Dプリント技術市場での再編が進むこととなる。

この裁判は2025年3月11日から12日にかけて実施され、裁判所は、Nano Dimensionが規制当局の承認取得に「合理的な最善の努力」を怠ったとして、合併契約違反を認定。Nano Dimensionの反訴も退け、合併契約の履行を命じた。
Nano Dimensionは、2025年3月24日の裁判所命令から48時間以内に、米国対米外国投資委員会(CFIUS)との国家安全保障協定に署名する必要がある。この手続きが完了すれば、合併成立への最後の条件が整うという。また、合併が3月31日までに完了しない場合、DMは合併期限を延長できるとしている。

本合併契約は、2024年7月に約1億8,300万ドル(1株あたり5.50ドル)で合意されていたが、当時、Nano Dimensionの前CEOヨアヴ・スターン氏は「両社の統合により、3Dプリント業界における成長を加速させ、株主価値を最大化する」と述べていた。しかし、その後DMは、Nano Dimensionが合併実現に必要な努力を怠ったとして提訴。さらに、Nano Dimensionが3DプリンターメーカーMarkforgedの買収を進めていたことも契約違反として争点化していた。これにより両社間の対立は激化し、Nano Dimension内部では取締役会の刷新やCEO交代などの混乱も発生していた。
関連記事:Nano DimensionがMarkforgedを買収

今回の裁判所命令によりNano Dimensionは合併完了を余儀なくされ、DM株価は判決翌日に約97%急騰した一方で、Nano Dimensionの株価は約20%下落している。


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