- 2025-7-20
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- 3DPrinting, 3Dプリンティング, Direct Manufacturing, Direct Metal Laser Sintering, EOS, Jet Engine, エネルギー, ジェットエンジン, 航空機
超音速旅客機開発企業Boom Supersonic、193の金属部品を3Dプリントで試作し超音速エンジン開発を加速
超音速旅客機の開発を進める Boom Supersonic(以下 Boom)は、193点もの金属部品を3Dプリンターで製造し、、エンジンの心臓部「Sprint Core」の開発を加速。3Dプリント技術が航空機エンジンの設計・生産の在り方を大きく変えようとしている。
Boom Supersonicは、2029年の就航を目指して開発中の超音速旅客機「Overture」用のエンジン開発に、EOSの産業用金属3Dプリンター「EOS M400-4」を活用し、プロトタイプエンジン「Symphony」のための193点に及ぶ金属部品を製造。従来の加工では難しかったこれらの部品は、エンジンの高圧タービン領域など、最も高温・高応力な環境で使用される。
材料には、耐熱性と耐応力性に優れたニッケル系超合金「Haynes 282」を採用。部品1回の造形には約50kgの金属粉末を使用し、約4.5日で大型タービンベーン3基を造形できるという。
Boomは、EOSのAM Turnkey Programを通じて、金属3Dプリンターの導入から生産立ち上げまでの支援を受け、現地テキサスのEOS技術施設にて技術者とともに造形プロセスを学習。現在は同機を自社研究施設へ移設し、本格的な量産体制に移行している。
エンジニアが独自のアイデアをすぐに試作できる環境が整ったことで、設計の自由度が大幅に向上。例えば、接着剤を均一に塗布する20フィートの専用ツールを一晩で3Dプリントするなど、金属AMの柔軟性が実証されている。
金属3Dプリントには造形後の後処理や精密なサポート構造の設計など、専門的な技術も必要となるが、BoomはEOSの支援と社内のノウハウ蓄積により、それらを克服しつつある。また、同社は将来的に、FAA認証を得た3Dプリント製航空部品の実用化も視野に入れている。
2029年の商用運航開始を目指す「Overture」は、客室部品や非構造部材にも3Dプリントを活用しており、難燃性材料「ULTEK 9085 CG」や、SLS方式に適した粉末材料の採用も検討している。
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