マテリアライズコンファレンス 2013

mj2013_1

「マテリアライズ コンファレンス 東京 2013」に参加

会場: ベルギー王国大使館

当日は、豊田中央研究所、ヒュンダイモーターカンパニーなど、大手自動車関連メーカーによる事案解説をはじめ、東京リスマチックさんによる造形サービス現場での「Magics」活用事例など、大変興味深いお話を多数お聞きすることができました。

特に、豊田中央研究所における3Dプリンティング事例は興味深いモノでした。
Topology optimizationで最適化された結果を元に、シートの軽量化と剛性を確保した複雑な形状をマテリアライズが造形。
最少の素材で軽量化と剛性を確保し、座り心地を損なわないシートだそうです。
軽く触れただけで壊れてしまいそうな繊細な造形ですが、耐荷重は100kg!

ty1

また当日は、今秋リリースされる「Magics」の新機能等について、詳しい説明がありました。
既存ユーザーにとっては、メリットのある様々なバージョンアップ内容となっていました。
リリースは10月頃になるそうです。

当日は、3Dプリンティング見本も多数展示されていました。
各種メディアでも公開されている、3Dプリンティングドレス

mj2013_3

「工業分野向けセッション」と同時開催されていた、「バイオメディカルサミット」では、医療関連の3Dプリンティング見本も多数展示されていました。

mj2013_4

当日夕刻からは、参加者による懇親会が開催され、3Dプリンタ関連業界の関係者が集い盛況でした。
狭い業界なので、皆さん顔なじみのようですw

mj2013_5

翌4日は、同社による3Dプリンタファッションショーが開催され
3Dプリンティングされたオブジェを身にまとったモデルによる、ショーが開催されました。
※写真は、マジック社サイトより借用いたしました。

mj2013_6mj2013_7mj2013_8

 

【3Dプリンタの環境】

改めて、3Dプリンターの可能性を感じられるイベントではありましたが
同時に、ここ最近加熱気味となっている3Dプリンタブームについて、改めて淘汰の波が押し寄せる日も近いと感じてしまうところです。
この件については、過去記事でも何度も提唱しておりますが
元々3Dプリンタに関連する技術は工業系なモノであり、ベースとなる技術・ノウハウ等もそれに準じた物となっています。パーソナル3Dプリンターでも、それに相当する知識とノウハウがなければ、満足に使いこなせるようにはなりません。むしろ、パーソナル3Dプリンターこそ、高度な知識とノウハウが必要になります。
恐らく、パーソナル3Dプリンターを満足に使いこなせる人間は限られた一部の人間に偏ってしまい、加熱気味のブームが逆効果となり、一気に冷めてしまうのでは?と感じています。
「安いから試しに買ってみたが、まったく思うように造形できない」といって放置してしまう方も多いでしょう。パーソナル3Dプリンターはまだまだ未成熟な分野ですが、使い方次第では大きな可能性を秘めています。
デザインと物造りに長年携わるid.artsでは、3Dプリンタの新しい可能性を提案するため、様々な関連コンテンツの開発やビジネスモデルの設計を進めています。
エンドユーザーレベルでは、ユーザー間によるオープンな意見交換の場を設け、3Dプリンターに関する様々な技術や知識を共有できるようになることが、最も重要になってくるのではないでしょうか?

 

【Magicsの自動補正機能】

余談ですが
Magicsといえば、高度な補正処理機能ですね。
次回のバージョンアップ以降もこの機能は益々向上するようです。
しかしこの機能、サービスビュローなどではとても活躍すると思われますが、我々のように高度な3Dモデリングを行う人間にとっては、あまり使われることの無い機能かもしれません(簡単な補正は別として)。
そもそも、モデル製作の段階から造形を想定したモデリングを行うため、何度も補正ボタンを押し続けなければならないような大きなエラーが出ることが少ないためです。
強引にコンバートしたデータなどは仕方ない面がありますが、工業系や建築系のモデリングを行うのに、エラーが頻発するようなデータしか作れないこと自体に問題ある!と言う事になってきます。
造形用モデルを製作する段階から精度の高いモデリングを実施すれば、修正箇所は無くなります。
万が一、大きな変更がある場合は3Dソフト(CADやCG)に戻って作業を行うケースがほとんどです(弊社の場合)。
工業系や建築系など、寸法精度を要求する造形では、自動補正機能により精度誤差が拡大することのリスクの方が大きいためです。
※これは高精度な3Dモデリングを必要とする側の意見であり、すこし偏った意見かもしれません。Magicsの補正機能そのものを否定するモノではありません。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る