- 2026-4-7
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イタリアの老舗銃メーカーBenelliが3Dプリンターで製造した超軽量ライフルを限定100丁で発売
イタリアの老舗銃器メーカー Benelli(以下 ベネリ)が、銃のフレーム(シャーシ)に3Dプリンターを採用した超軽量ライフルの限定モデル「Lupo Alpha Limited Edition」を発売した。希少性と先端技術を両立させたこのライフルは、銃器業界における3Dプリント技術の本格普及を告げる一歩として注目を集めている。

ベネリは2023年に社内へ3Dプリント専門部門を設立し、製品製造への活用を着実に進めてきた。今回の「Lupo Alpha Limited Edition」は、308ウィンチェスター口径の限定ライフルで、価格は1丁1万ユーロ(約160万円)、生産数はわずか100丁だ。前モデルの初代3Dプリント版「Lupo Alpha」がすでに1,000丁完売しており、少量生産・高付加価値路線としての手応えが今回につながっている。同社マーケティング・製品ディレクターのロベルト・マッサロット氏は「ほとんどのメーカーが3Dプリンターを試作品づくりに使っている中、私たちは量産に活用している。これはまったく異なるアプローチだ」と語っており、3Dプリンターを製造ラインとして位置づける同社の姿勢を鮮明にした。

このモデルの最大の特徴は、銃の土台となるシャーシを丸ごと3Dプリンターで製造している点にある。従来の金属切削加工では作れない複雑な形状が実現でき、余分な素材を省きながら必要な強度を維持する「軽量×高剛性」の構造が可能になった。ストックの設計にはFEA(有限要素解析)も活用されており、発射時に銃にかかる力や歪みをコンピューター上で事前にシミュレーションすることで、最適な形状を導き出している。銃身には電気の力で金属を精密に削り取る電気化学加工(ECM)を採用。従来のハンマー鍛造より均一で精度の高いバレルを実現するとされ、ベネリ独自の電気化学的ライフリング技術と組み合わせることでさらなる精度向上を図っている。加えて、バレルやトリガーには独自の表面処理「BE.S.T.」を施し、真空炉での熱処理と極低温処理も加えることで、耐腐食・耐摩耗性能を高めている。

ベネリはベレッタ・ホールディングス傘下でショットガン分野に強みを持つが、ライフル製造への参入は比較的最近のこと。伝統と権威が重視される銃器業界において後発メーカーが存在感を示すには、技術力による差別化が有効であり、3Dプリント技術の積極活用はその象徴といえる。これまで大手銃器メーカーは3Dプリント技術の採用に総じて慎重で、イノベーションの多くはスタートアップが牽引してきた。ベネリの動きはその流れが変わりつつある兆しとして業界内外から注目されており、今後は射手の体型や射撃スタイルに合わせたカスタム部品への応用も期待されている。
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