Iris van Herpen、3Dプリントされた最新のウェディングドレスと2つのドレス事例を紹介
3Dプリント技術を利用した斬新なデザインのファッションを提供するオランダ人ファッションデザイナー Iris van Herpen(アイリス・ヴァン・ヘルペン)は、最新の事例として、3Dプリントされたウェディングドレスと、2つの特別なドレスを紹介した。
花嫁の身体にフィットした特注のウエディングドレス
2024年5月、ブラジルの税理士マリアナ・パヴァーニは、自身の結婚式で着用するウエディングドレスの製作を、ヴァン・ヘルペンに依頼。制作スタッフは、ドレスの3Dファイルを用意するため、パヴァーニの身体を3Dスキャンし、モデラーが600時間をかけてドレスをデザイン。完成したドレスの3Dデータはパリの施設に送られ、41時間を掛けてプリントされた。ヴァン・ヘルペンによれば、このドレスはシームレスなデザインのため、一般的なパターンでは作れなかったという。
Photo : Pavani Instagram
ボディス (bodice) とネックラインを飾る複雑で未来的なデザインは、柔軟性と耐久性に優れたナイロン(PA12)素材を利用しており、高い意匠性と強度を実現している。
このハイテク・ウエディングドレスを着てバージンロードを歩いたパヴァーニの姿は、ニューヨークの雑誌「Women’s Wear Daily(WWD)」の表紙を飾った。
カンヌで披露された3Dプリントドレス
2024年5月14日から25日にかけてフランス・カンヌで開催された「第77回カンヌ国際映画祭」で、審査員として招かれたフランス人女優のエヴァ・グリーンは、映画「Kinds Of Kindness」のレッドカーペットにおいて、ヴァン・ヘルペンの2022年秋のクチュールコレクションの一部である「Ars Amatoria」ガウンを着用し登場した。
レッドカーペットに登場したエヴァ・グリーン Photo : Iris van Herpen
彫刻のような袖と、レーザーカットをアップサイクルしたデザインに刺繍された繊細な白いレースを加えたボディスは、大聖堂のステンドグラスを彷彿とさせるデザインで、カンヌ国際映画祭の華やかな雰囲気に理想的な未来的シルエットに仕上がっている。
モナ・パテル、3Dプリントドレスでメットガラに登場
5月6日にN.Y.のメトロポリタン美術館で開催されたファッションの祭典メットガラでは、次世代の1000人にも選ばれたインド人実業家モナ・パテルがヴァン・ヘルペンのドレスを着用し、人々を魅了した。
モナ・パテルが着用した動く蝶のドレス Photo : Iris van Herpen
今回パテルが着用したドレスは「アプサラ(APSARA)」と名付けられた特注のドレスで、シアトルを拠点とする金属職人であるケイシー・カランによる伝統的な技法に加え、レーザーカットや3Dプリンティングといった新しい技術を織り交ぜて作られている。
パテルは、3月29日にカランに連絡を入れ、翌4月1日にヴァン・ヘルペンにドレスをオーダー。制作チームは、わずか30日間の短期間でパテルのドレスを仕上げ、メットガラ当日に間に合わせた。
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