米海軍がグアムに3Dプリント拠点「GAMMA」を設立、米海軍の艦艇修理効率化へ
米海軍は、艦艇や潜水艦の修理を加速するため、グアムに3Dプリント技術を活用した新拠点「GAMMA(Guam Additive Materials & Manufacturing Accelerator)」を2026年4月に開設する。これにより、部品供給の長期遅延を解消し、現地で必要な部品を即座に製造できる体制を整える。
米国メリーランド州に拠点を置く非営利団体、応用科学技術研究機構(Applied Science & Technology Research Organization of America 以下 ASTRO)は、米海軍の支援を受け、グアムに新たな3Dプリント拠点「GAMMA」を開設する準備を進めている。同施設は2026年4月の稼働開始を予定し、延床面積約740㎡(8,000平方フィート)に、樹脂3Dプリンター、レーザー粉末床溶融結合(LPBF)、指向性エネルギー堆積(DED)といった先端技術が導入される。
これにより、プラスチック試作品や治具から高精度な金属部品、大型金属構造物まで多様な製造が可能となる。
特にグアムは米国本土から遠隔地にあるため、これまで艦艇修理に必要な部品を本土から輸送するまでに数週間から数年かかることもあったが、3Dプリンターを活用すれば、リードタイムは最長2年から数週間に短縮でき、修理コスト削減にもつながる。
米海軍は本プロジェクトに対し、2024年に500万ドルの契約を交わし、さらに1,200万ドルの追加支援を予定している。BlueForge Allianceや海軍のMaritime Industrial Base Program Officeからも資金が投入され、戦略的に重要な拠点として機能する見込みだ。
さらに、GAMMAは地元大学や政府機関と連携し、グアム初の機械工学プログラム設立や米国本土大学のサテライトキャンパス誘致を通じて人材育成にも注力する。開設当初は約10名の雇用から始まるが、6年以内に85~100名規模の直接雇用を創出すると見込まれている。
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