3Dプリント対応の高耐熱合金「Molyclast」

MetalsFIRST技術で危険工程を削減、次世代金属3Dプリントに最適な新素材誕生

MIT発のスタートアップ Foundation Alloy は、3Dプリンターと親和性の高い新モリブデン合金「Molyclast」を発表した。「Molyclast」は、同社が独自に開発した金属製造プラットフォーム「MetalsFIRST」を用いて金属粒を従来の100分の1まで微細化し、最大60%の強度向上を実現。さらに3Dプリンターに適合しており、危険な水素ガス処理や大規模な後加工を不要にするため、航空宇宙やエネルギー産業において、より安全で高性能、かつ低コストな部品製造を可能にする。

粉末冶金と焼結を組み合わせたFoundation Alloy独自の「MetalsFIRST」技術を活用して製造される「Molyclast」は、従来必要だった危険な水素ガス処理や複雑な後加工が不要となり、安全性と効率性が大幅に向上する。加えて、米国内での生産体制を整えることで、安定した供給力も確保している。
モリブデン合金は高温環境や極限条件に耐える特性を持ち、航空宇宙、防衛、エネルギー産業で広く利用されているが、Molyclastはこれらの分野において、既存の材料よりも高い性能を発揮し、3Dプリント技術と組み合わせることで試作から量産までのスピードを大幅に短縮することができる。

世界では金属3Dプリント材料の開発が盛んであり、NASAは高温環境で従来の3倍以上の耐久性を持つ合金「GRX-810」を発表し、宇宙開発向けの新たな可能性を示している。また、オーストラリアのRMIT大学は、チタン合金のコストを約30%削減できる新たな設計手法を公表し、3Dプリント製造の低コスト化を推進している。Molyclastは、こうした国際的な研究成果と並ぶ、新しい世代の素材として注目されている。
Foundation Alloyは今後、Molyclastを皮切りに複数の新合金を市場に展開する計画を発表している。


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