Forma Foods、3Dプリント技術を活用した植物由来の代替肉市場に参入

3Dプリント技術でリアルな肉に近い食感と風味を再現し持続可能な代替肉を開発

メキシコのモンテレイ工科大学からインキュベートされたベンチャー企業 Forma Foods は、従来の家畜による肉生産に代わる持続可能な選択肢として、3Dプリント技術を使用して本物の肉に近い食感と風味を実現した植物由来の肉を開発。同社はこの技術を通じて、遠隔地への高品質なタンパク質の供給を目指しており、従来の畜産業が抱える環境問題の解決にも貢献しようとしている。

Forma Foodsの研究チームが開発した「カオス印刷」と呼ばれる技術は、微細な構造を作り出し、動物組織の構造を再現することで、植物由来の代替肉が従来の肉に近い食感や風味、外観を持つように仕上げることができる。この技術により、人気のメキシコ料理、特にアラチェラやカルネ・アル・パストールを再現しており、エンドウタンパク質、東洋由来のプレバイオティクスファイバー、ココナッツオイルなどの材料を使用して、筋肉、結合組織、脂肪を模倣している。

当初、細胞培養肉の開発に注力していた開発チームだが、動物細胞ベースのプロセスの高コストが課題となり、植物由来の選択肢に方向転換。チームは、モンテレイ工科大学の支援を受け、コスト効率が高く、スケーラブルな3Dプリント技術を用いた植物性ペーストの開発に成功した。

Forma Foodsは、2019年に特許を取得した特殊なプリントヘッドを活用し、Tec VenturesやSaya Bioからの資金支援を受けて大きな進展を遂げている。彼らの技術は、粘性のある植物性ペーストを肉に近い製品に変えることに成功しており、限られた資源の中で世界的な食糧需要を満たすためのメキシコ発の技術革新の一部である。同社は、ヴィーガンだけでなく、健康面や倫理、環境の観点から肉の消費を減らしたいと考える消費者もターゲットとしており、ミシュラン星付きレストランのシェフじもビーツを使った特注の代替肉を依頼するなど、レストラン業界からの注目も高まっており、今後、料理界や消費者市場において大きな影響を与えることが期待されている。

従来の畜産業に比べ、メタン排出量の削減、水使用量の低減、環境負荷の軽減などに寄与し、より持続可能な食糧システムの構築に貢献すると見込まれているForma Foodsの技術は、世界的な食料安全保障に重要な役割を果たす可能性がある。Forma Foodsの最高科学責任者(CSO)であるグリセル・トルヒーリョ氏は、「革新的な食技術で可能性の限界を押し広げたい」と意気込みを語っている。

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