エントリーモデルの3Dプリンタ市場が爆発的成長

エントリーモデルの3Dプリンタ市場が急成長。高価格帯システムの出荷減少が続く中、低価格帯モデルが市場を牽引

市場調査会社CONTEXTの最新レポートによると、2024年第2四半期においてエントリーモデルの3Dプリンターが急成長を遂げ、同価格帯の出荷が前年比65%増加したことを明らかにした。これにより、グローバル3Dプリンタ市場全体の収益が前年同期比で7%増加。この成長はすべてエントリーモデルの出荷によるものだとしている。

3Dプリンタの収益と価格帯別の成長率 image:Context

レポートによれば、エントリーモデルの3Dプリンタは全体の48%を占め、産業用システムの38%を上回る売上を記録した。これには、中国の3Dプリンタメーカーである CrealityBambu LabAnycubicElegoo などが大きく貢献しており、この4社で94%のエントリーモデルの出荷を占めている。
一方、産業用3Dプリンタの出荷は4四半期連続で低下し、前年比で25%減少。また、プロフェッショナルモデルも売上が前年比で21%減少した。特に、ポリマー3Dプリンタはすべての地域で低迷が続いている。

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産業用ポリマー3Dプリンタが低迷する一方で、金属製3Dプリンタ市場では中国国内の金属PBF方式が好調を維持しており、前年比で7%の成長を記録した。この成長を牽引したのは Bright Laser Technologies(BLT)Eplus3D といった中国メーカーで、BLTは2024年第2四半期において金属PBF方式の世界的リーダーとしての地位を確立した。

BLTの金属3Dプリントシステム

エントリーモデルの急成長は、プロフェッショナルなユーザー層にも波及しており、Bambu LabやCrealityのように高性能で手ごろな価格のデスクトップ3Dプリンタが注目されている。これらのモデルは、高価な産業用システムに近い機能を有しながら、低価格を実現しており、コストパフォーマンスの高さが市場の拡大に貢献している。

価格クラス別の世界の3Dプリンタ出荷数 image:Context 

産業用3Dプリンタ市場の回復は2025年後半に見込まれており、金利引き下げが進むことで設備投資の活性化が期待されている。長期的には、産業用セグメントが最も成長すると予測されており、今後5年間で19%の年間成長率が見込まれている。


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